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弁護士日記

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農地法研修会(in博多)を終えて

2012年11月19日

 日本経営協会主催の本年の農地法セミナーは、11月15・16日開催のセミナーをもって幕を閉じた。私は、昨年までは、東京・名古屋・大阪の3か所で行われる農地法セミナーに講師として顔を出していたが、今年は、これらに加え、博多でのセミナーにも講師として参加した。
 博多での農地法セミナーは、開催決定から実際の開催日までの期間が僅かしかなかったことや、また開催時期も遅かったことから、参加者の数は、他の地域と比較すると半数以下の少人数にとどまった。
 具体的には、参加者の数は8人であった。私は、例によって2日間で9時間の講義を行った。参加者は、ほとんどが市町村の職員の方々であった。
セミナーが終わってから、他の会場同様、博多でもアンケートの回収が行われた。アンケートの結果は、従来の経験からは、ほとんど全部の方々から、「よかった」又は「どちらかといえばよかった」という内容が寄せられる。
 今回も、8人中6人は、「大いに参考になった」、「分かりやすかった」という評価であった。しかし、2名の方は、「内容が余り理解できなかった」、「質問に対する講師の対応がよくなかった」というものであった。私としては、できる限り分かりやすくお話しをしたつもりであったので、意外な印象を受けた。
 私は、それらの回答を書いた方の目星がついた。一人目の方は、教室の最後尾の椅子に座っていた方であろう。講義の最中にタメ息を何回もついておられた方であろう。いくら私が、日本で一番分かりやすい話をしても、その話すら、内容を理解できないのでは、それこそ話にならない。
 二人目の方は、その方が出した質問に対し、私の方で、質問者の考え方は間違いであるとズバリ指摘した方であろう。その方は、おそらく、他の受講者のいる前で自分の意見を間違いであると指摘されて内心面白くなかったのではないか。しかし、間違いを間違いであると指摘しておかないと、その本人のためにならないし、他の受講生にとっても間違った理解をしてしまう危険があってよくない。
 来年は、5月に博多で農地法セミナーが開催されることが内定しているが、来年、博多でのセミナーに参加を希望される方は、農地法の実務について、最低限の知識と経験を持っていることが好ましい。全く白紙の状態では、今回の一部の参加者のように私の話を聞かれてもよく理解できないおそれがあるからである。
 私が農地法セミナーの講師を務めだしてから、かなりの年月が経過したが、教室に座っている受講生の方の表情ないし様子を1時間もみれば、その方の意欲とか能力はだいたい分かる。やる気のある方、ない方、また、素直に人の話を聞ける方、聞けない方、さらには能力のある方、ない方が、おおよそ判別できるのである。
 例えば、教室でメモをしっかり取っている方は、大半がやる気がある方である。他方、メモを取らずに話を聞いているだけの方は、余りやる気のない方である。また、受講生が出した質問に対し、講師である私が回答した際、その内容を素直に理解しようと努力する方は、今後伸びる余地が大きいと思われる。反対に、講師が話した正しい内容に対し、それを理解しようとせず間違った持論に固執する方は、余り見込がない人物とみてよい。
 このことは、何も農地法セミナーに限ったことではない。通常の法律相談においても、弁護士が出した見解をしっかりと理解しようとする姿勢がある相談者は、弁護士としても助言をしてよかったと感じる相談者である。反対に、間違った結果予測や現実性の乏しい結果に固執する相談者には、弁護士としても、よい知恵が出しにくいものである。

日時:15:30|この記事のページ

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