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弁護士日記

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「農地法概説」好評発売中

2009年03月02日

 今回は、拙著「農地法概説」について紹介させていただく。以前にも触れたが、このたび「農地法概説」が本年2月5日に東京の信山社から発売された。農地法概説は、文字どおり、農地法の解説書である。
 この本の内容は、大きく4つの部分から構成されている。第1章は、農地法に関する総論的な問題を取り上げている。具体的には、農地の定義、農業生産法人、農業委員会などの問題点を解説している。この中で、農業生産法人とは、法人の中で、唯一耕作目的で農地の所有権を取得したり、賃借権の設定などを受けることが認められている法人である。農業生産法人の要件は相当に厳格に定められており、普通の一般企業が農業ビジネスに参入することは必ずしも容易ではない。
 そして、法律の内容を補うべき政令や省令あるいは行政解釈は、非常に細かい規制を張り巡らしている。果たしてここまで規制する必要があるのか首をかしげたくなるような解釈も示されている(このように、霞が関の官僚たちが頭の中だけで考えたとしか思えない画一的規制が、全国津々浦々にまで及んでいる状況は、地方分権の観点からは大いに疑問である。)。
 第2章は、農地法3条許可に関する解説である。ここでは、3条許可申請の手続一般のほか、3条許可を巡る民法上の問題点についても、判例をできるだけ多く紹介することによって、問題解決の糸口を見つけることができるよう工夫している。また、農地法3条許可は、いうまでもなく行政処分に当たるから、行政処分を行う際に生ずる諸問題についても頁数を相当に割いて解説を行った。
 第3章は、農地法4条・5条の転用許可についての解説である。農地の「転用」とは、人為的に農地を農地以外のものにする行為を指す。したがって、例えば、洪水、地震などの非人為的要因によって農地が農地以外のものになっても、これは農地法でいう転用には当たらない。農地転用を認めるか否かに当たり、農地法4条・5条は、許可基準を定めている。許可基準には、立地基準と一般基準がある。そのいずれの基準をも満たして初めて転用許可処分を受けることができる。
 第4章は、農地の賃貸借について、簡潔に触れている。農地の賃貸借については、いったん正式に農地法3条許可を受けて賃貸借関係が成立すると、地主の方からの解除が容易ではなく、その点が問題である。そのため、最近では、農地の賃貸借をするに際し、農業経営基盤強化促進法が規定する利用権設定等促進事業という仕組みを通じて賃貸借が行われることが多い。
 農地法については、平成21年3月の国会に改正法案が提出されるとのことである。
 しかし、国民に対し、改正法案の概要は公表されているものの、詳しい内容までは明らかにされていない。農地法は、食糧自給の問題など、国民生活にも大きな影響が及ぶ法律であるだけに、改正法案に関するより詳しい内容の事前開示が求められる。

日時:13:03|この記事のページ

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