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弁護士日記

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農地法セミナー in 大阪を終えて

2016年06月07日

 本年6月2日・3日と、日本経営協会関西本部主催の農地法セミナーが大阪市内で開催され、私は、講師として講義を担当した。受講生の方々は、全部で16名であった。 
 最初に、私の方から、受講生の方々に対し、セミナーでテキストとして使用している『農地法読本』について、「前に読んだことがありますか?」と質問したところ、僅か2名の方が挙手された。私としては、半分くらいの方々が既に仕事用に使用しておられるのではないかと予想していただけに、やや意外な結果であった。
 この本は、農地法を解釈するに当たって必要となる民法及び行政の基礎理論も解説がしてある。もちろん、民法や行政法の知識は、大型書店で、民法及び行政法の専門書を購入して、自分で勉強することでも習得が可能である。しかし、過去に法律を専門的に学んだことがある人(例えば、大学の法学部卒業生)を除き、独学で短期間のうちに法律をマスターすることは大変困難といえる。
 その点、「農地法読本」の場合は、300頁以内に、農地法、民法、行政法などの基礎知識が要領よくコンパクトに解説されているのであるから、これ1冊で、おおよそ半年程度で、仕事に必要な分野に限定して効率的な学習が完了できる。
 昔から、「知識は力なり」という。全くそのとおりである。知識があれば、仕事を遂行する上で発生したいろいろな問題に対し、正しく対処することができる。正しい解答を見つけることができる。
 他方、必要な知識がないと、どう対処してよいか分からなくなる。間違った結論を出してしまい、自ら窮地に追い込まれることにもなりかねない。
 今回のセミナーの中でも、ある県庁所在地の市役所の農業委員会の職員の方から、質問が出た。
 質問された問題を簡略化すると、AさんとBさんとの間で、Bさんの農業機械をAさんの農地を通過させてよいという口頭による合意ができた。通路(ただし、農地である。)幅は3メートルという約束だった。合意に基づき、Bさんは、Aさんの農地上を農業機械を通過させた上で自分の農地で耕作をしていた。ところが、Aさんは、第三者のCさんに転用目的でその農地を譲渡しようとした。A・C双方から、5条許可申請が出たが、Cさんの転用事業計画書によれば、Cさんが認める通路幅は1メートルにすぎず、これでは狭すぎて、Bさんは農業機械を通過させることが不可能となる。この申請は、果たして、農地法5条2項4号に抵触しないか?というものであった。
 正解は、「抵触しない」ということである。なぜなら、農地法5条2項4号は、転用行為によって、土砂の崩落その他周辺の農地の営農条件に支障を生ずる場合に、許可できないと定めているからである。
 Bの農業機械が、新所有者Cの土地を通行できなくなり、Bが自分が所有する農地で営農できなくなったとしても、それは、Cの転用行為自体(農地の非農地化)によって生じた結果とはいえないからである。この正解は、農地法読本をよく読めば、容易に出てくる結果なのである。 
         

日時:13:31|この記事のページ

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