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弁護士日記

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「判例メモ 逸失利益算定の基礎収入」が出る

2019年03月15日

 本年4月上旬に、大成出版社から、「判例メモ 逸失利益算定の基礎収入」という名前の本が出る。
 この本は、日頃、交通事故訴訟の実務に携わっている弁護士を主な読者として書かれた本である。頁数は、おおよそ300頁弱のコンパクトな本である。
 この本には、被害者の類型別に計180の判例の内容(要旨)が掲載されている。
 この本を読むことによって、しばしば争点となる基礎収入について、素早く妥当な金額を査定することができる。
 これに関連するが、私が関わった交通事故訴訟について、裁判官の事実認定能力が以前よりも相当落ちてきた気がする(ただし、これは私個人の感想にすぎないが。)。
 例えば、最近終わった事件がある。四年制大学に在学中であるが、コンビニ店のアルバイトを長年にわたってしてきた男性被害者について(20代)、裁判官から、和解案として、学歴計年齢計男性労働者の平均賃金をかなり下まわる金額が基礎年収として提示されたことがあった。その主な理由は、被害者の、コンビニ店でのアルバイト収入が同年代の男性労働者よりもかなり下回っているということだった。しかし、これはおかしい。
 年収が低かった原因は、被害者が大学に在学中であり、生活費を稼ぐためにアルバイトをしていたからであり、ご本人は、事故後に、大学を卒業することができた。仮に事故に遭うことなく、無事に就職できていれば、アルバイト時代の年収を上回る年収を得る蓋然性は高かったと言い得るのである。しかし、この事件では、原告ご本人が、このおかしな金額を了解されたため、和解に至った(私は、和解案に強く反対したが。)。
 納得のいかない判決や和解案を次々と示されると、裁判官又は司法に対する信頼感が急激に低下してゆく感覚を覚える。ここ十数年来の司法試験合格者の急激な増加に伴い、司法試験の難易度が低下していること(ひいては裁判官に採用される者の平均的能力が低下していること)と、因果関係があるかもしれない。

日時:11:45|この記事のページ

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