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弁護士日記

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キャリア官僚など無用の長物である

2021年06月27日

 最近のニュースで驚いたのは、経済産業省のキャリア官僚が給付金詐欺容疑で同時に二人も警視庁に逮捕されたというニュースである。経産省では、別の職員が、国会の女性トイレで盗撮をしたという事実を認めている。本当に「経産省、大丈夫か?」という気持ちになる。
 経産省といえば、霞が関の官庁の中でも特に人気があり、国家公務員総合職試験の合格者であっても、成績が相当に上位でないと、なかなか採用されないと聞く。
 本日の新聞報道によれば、桜井真容疑者(28歳)と、新井雄太郎容疑者(28歳)は、神奈川県内の私立高校をいずれも卒業し、桜井容疑者は慶応大学に進学し、その後、経産省に入っている。一方、新井容疑者の方は同じく慶応大学にいったんは進学したが、なぜか退学し、東大に入学したという経歴の持主であるという。
 これらの新聞報道内容は、各社とも内容が一致しているので、ほぼ間違いない事実と考えられる。また、桜井容疑者は、東京千代田区一番町にある高級マンションが自宅であるという。さらに、高級外車も所有していたという。
 ここで、私が注目した点は、次の点である。新井容疑者は、なぜ慶応大学に入学したが退学して東大に入りなおしたのか?という点である。これはあくまで推測に過ぎないが、東大ブランドに拘泥したからということではなかったのか。
 日本では、異常なまでに、東大信仰が根強くある。実にバカバカしい限りである。テレビ番組などを見ても、ゲストやコメンテーターが東大を卒業していると、かなりの確率で「東大卒」という表示がされる。実にくだらない、遅れた考え方である。理由は簡単である。
 ある人物が東大に入学した時期は、普通は未成年者である18歳または19歳の場合が大半ではなかろうか(3浪、4浪で入学すると20歳を超えるかもしれないが。)。つまり、東大合格という事実は、高校を卒業した時点での評価に過ぎないのである。おそらく合格者の大半は、幼少期から受験勉強ばかりに専念して、やっと入学できたのであろう。そんなものには、何の価値もない。重要なのは、大学を卒業し、引退するまでに何をしたかという事実である。したがって、どこの大学を出ていようと、その人物の価値とは全く関係がないのである。
 また、新聞等で、さかんに「キャリア」という名称を付けて、有難がる風潮もある。「キャリア」という枕詞を付けて、その人物が何か特別の地位にある持主であるかのように惑わせる効果がある。いわば特権階級(いわゆる上級国民)に属するということを暗に示しているわけである。しかし、これもおかしい。
 国家公務員総合職試験で採用された職員であろうと、それ以外の試験区分で採用された職員であろうと、同じ国家公務員なのであるから、入省後は、原則同じ土俵で競わせればよいのである。
 もちろん、例えば、大学院を卒業しており、例えば、電子工学に関する特別の高度の能力を持った人物であれば、待遇に合理的な格差をつけることは許されるであろう。医師免許を持っている職員の場合も同様である。
 しかし、大学の法学部を例にとれば、国家公務員の総合職試験に合格した人物の法的知識のレベルは、通常あまり大したものではない(司法試験合格者レベルには到達していない。法律の基本原則がしっかりと分かっていないからである。)。法学部の講義にまじめに出て、公務員試験用の受験準備を要領よくすれば済むからである。それ以外の国家公務員試験を経て入省した者との決定的な差などないということである。
 国家公務員と地方公務員を比較すると、霞が関の本省の課長補佐程度の若輩者が、地方に来て、県庁の部長級のポストにおさまって偉そうな顔をしている事例も散見されるが、実に見苦しい現象と言える。地方公務員試験(大卒区分)を経て県庁の職員として働いている者と比べ、能力的には同等と言えるからである。このような不当な取り扱いは、職員人事上の合理性のない差別に当たる。地方自治体の首長は、前例踏襲の因習に従って、国から平凡な能力しか有していない余剰職員を呼ぶのは、そろそろ止めるべきである。
 しかし、霞が関から来たというだけの理由でその人物を特別扱いしようとする間違った風潮は、なかなか改善されない。その原因の半分以上は、「キャリア官僚」を地方自治体に招き入れて喜んでいる自治体関係者の考え方の浅さと、国の言うことを聞いておりさえすれば問題は起きないという思考停止状態に陥っている自治体の側にあるというべきであろう。
 地方自治体よ、今は明治時代ではない。令和時代である。いい加減「目を覚ませ」と言いたい。
(追記)
 官僚二人の詐欺疑惑のニュースのほか、弁護士が依頼者のお金を横領(正確には業務上横領)した容疑で、やはり逮捕されたというニュースが出た。永井博也容疑者である(46歳)。報道を見た限りでは事実である可能性が非常に高い。同業者として「何をやっているのだ。馬鹿者」と言いたい。横領の理由は、競馬で負けた借金とのこと。借金の穴埋めに、依頼者のお金合計1300万円を使い込んだようである。このような不祥事が起きる根本的原因であるが、中坊公平という弁護士が日弁連の会長をやっていた当時、弁護士の大幅増員=司法試験の合格者増の方向が決まったことが決定的である(当時私は反対であった。)。
 しかし、需要が一定で(民事事件の数が増えないという意味)、供給ばかり増えれば(弁護士の数が増えるという意味)、物の価格は暴落する。つまり、食えない弁護士がどんどん増えるということである。40年ほど前は、弁護士になれれば、数年先には一軒家が建つと言われた。しかし、今は、司法試験に合格しても、法科大学院の授業料などの借金を抱えたままの新人弁護士もかなりの数存在すると聞く。現代では、仮に弁護士になっても、昔のような旨味はなく、年金がもらえる65歳までどう生活を維持してゆくか心配な新人弁護士も多いのではなかろうか。
 依頼者も、依頼している弁護士をよく見極め、少しでも何か変だと感じたら、すぐにその弁護士が所属する弁護士会に相談をするとよい。しかし、弁護士が不祥事を起こして弁護士会に懲戒請求をしても、普通は、お金が絡まない限り、「戒告」という軽い処分で済んでしまうことが圧倒的に多い。そのため、複数回にわたって「戒告」処分を受ける弁護士が少なからずいる。誠に残念なことである。なお、懲戒処分の詳細は、日弁連が毎月発行している「自由と正義」という月刊誌に掲載されている。

 

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