令和6年8月も既に10日間を経過した。テレビを見ると「熱中症に気を付けてください」というニュースが毎日のように報道される。体感温度も確かに年々増しているような気がする。この調子でいくと、来年は一体どうなるのか。10年後はどうなっているのか空恐ろしい限りである。
このような暑い季節であるが、冒頭に掲げた本を読んでみた(幻冬舎新書)。本文278頁の新書であるから、割と短時間で読める。しかし、内容は分かりやすく記述してあり、また、著者の考え方ないし物の見方もほぼ合理的なものであり、納得できる点が多かった。
この本の中では、日本史上の10個の喧嘩(闘争)が解説されている。もっとも有名なものは、織田信長が部下の明智光秀に討たれた本能寺の変であろう。光秀が本能寺の変を起こした原因としては周知のとおり諸説あるが、本郷氏は、「ブラック企業説」を唱えている(205頁)。信長に酷使された光秀が、ついに切れて暴発したという考え方である。なるほどと思った。おそらく一番真相に近いのではないか。
喧嘩とは、簡単に言えば、利害が対立する者(集団)同士の権力闘争である。ここでは喧嘩を仕掛ける者と、仕掛けられる者が存在するが、通常仕掛ける方は、それを機会に相手方を消そう(殺そう)とする意図が働くことが多い。上記の例でいえば、普通に考えた場合、信長の方が光秀よりも圧倒的に力が強いのであるが、信長が油断していたために本能寺で殺されてしまったのである。本の詳しい内容はここでは紹介しきれないので、興味のある方は自分で読んでいただきたい。
現実社会に目を移すと、ロシアによるウクライナ侵略戦争の場合も、ロシア軍がウクライナの首都キーウの制圧を目指して戦争を開始する相当以前から、機密情報を掴んだアメリカ政府は、ゼレンスキー大統領に対し「ロシアによる侵略行為が迫っている。緊急に防衛力を増強する必要がある」と警告していた。にもかかわらず、当時のゼレンスキー大統領は、呑気にも「我々は、話し合いによる平和的解決を目指す」と回答し、アメリカ政府の警告を無視していた事実がある。
その後、ゼレンスキー大統領は、侵略者プーチンが指揮するロシア軍が、実際にウクライナの首都キーウに向けて侵略行動を開始した事実を知って、自分の認識がいかに甘かったかを骨の髄まで知ることになった。
一方、我が国をめぐる安全保障に関する公明党や左翼野党の連中の認識は、ロシアによる侵略が開始される前のゼレンスキー大統領の甘い認識よりも下であることは、ほぼ疑いない。よって、このような素人政治集団に政権を委ねることは国家の危機を招くことに繋がる。
当面、国家の基本法である日本国憲法の9条に、国家・国民を守るための実力部隊としての地位を持つ存在として、自衛隊を明記する必要があることに議論の余地はない。口先で「日本は平和憲法を持つ平和国家である」などと10000回唱えたとしても、そんなものは、核兵器を戦争遂行の手段として使用することを認める中・露・北の非民主主義国家による喧嘩(攻撃)を防止する効果はゼロである。国民はその事実を直視する必要がある。
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