衆議院議員選挙が終わった。自民党と公明党は、衆議院の定数の過半数である233議席を大きく下回る215議席にとどまった(自民党191議席+公明党24議席=215議席)。石破首相は、選挙前に、自公で定数465議席の過半数に当たる233議席が勝敗ラインだと明言していた。選挙の結果、215議席となり、明らかに勝負に負けたのである。
ところが、石破首相は、このまま首相を務めたいとの意向を昨日(10月28日)、明らかにした。実に、卑怯な態度である。選挙結果を見れば分かるとおり、国民の過半数は、石破首相に愛想をつかしたのである。国民から「お前はダメだ」と宣告されたにもかかわらず、その地位に恋々とし、地位にしがみついて離れようとしない態度は、一国の首相としての資質を疑われる。
本日付けの産経新聞の社説にも書かれていたことであるが、石破首相は、これまで「党内野党」の立場に立って、時の首相を「早く辞めろ」と、たびたび攻撃してきた事実がある。また、独特の回りくどい言い回しを駆使して、あたかも自分だけが正義であるとのポーズをとってきた。これまで一部の国民は、その様子に惑わされて、催眠術にかかった如く石破首相に多大の期待をかけてきた。
しかし、そのメッキも剥がれようとしている。より正確には剥がれた。私は、前にも述べたことがあるが、最初から石破茂という人物には全く期待をしていなかった。「評論家」としては一流であっても、一国を代表し、大所に立って行政各部を適切に指揮する能力は到底ないと睨んでいたからである。
世間を見渡すと、「そのようなやり方ではダメだ」と周囲の人間を批判し、攻撃する傾向が強い人物が必ずいるものである。しかし、その人物に実務をさせた場合、余りうまくいかないことが多いように感じる。石破首相もそのタイプであり、まさに同類であるといってよい。
さて、石破首相は、上記のとおり、自分の続投を願っているのであるが、今後、どうなるのか?そのようなことは誰にも分からない。ただ、確実にいえることは、これまでのように自公で物事を決めることは不可能になったということである。したがって、石破首相としては、野党の中でも、比較的物分かりのよい国民民主党(玉木代表)に協力を求めることによって、困難な事態を打破しようと思っているのではなかろうか。
しかし、今回の選挙で躍進した国民民主党としては、自公と安易に連携・協力することは非常に危険であることを知っているはずである。仮にそのような誤った方針をとれば、次回の衆議院議員選挙では、議席を大幅に減らすことは目に見えているからである(元の木阿弥ということである)。
私の予想によれば、石破政権は、近いうち(半年以内)に行き詰まり、衆議院で内閣不信任決議が可決されて崩壊すると読む。とにかく、石破首相の暗い表情を日々見せられていると、気が滅入ってくるのは私だけではなかろう。石破首相には、日本のため、一刻も早く首相を辞任して欲しいと願うばかりである。
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