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弁護士日記

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愚かなる首相の訪米

2025年02月10日

 今週、石破茂という人物が日本国の首相という立場でアメリカ大統領のトランプ氏と会談した。
 そのニュースについて、随分甘い評価が出ていることに驚いた。なぜ、そのようなおかしな感想が出てくるかといえば、余りにも石破茂という人物の立ち振る舞いが事前に不安視されていたためであろう。要するに期待値が非常に低かったため、周囲からみれば「あれっ。案外大丈夫だったではないか」という心理が大きく作用していることは間違いない。
 しかし、会談冒頭の場面で、暖炉を後ろにした椅子席で双方の首脳が握手した場面を見れば分かるが、石破茂という人間は、確かに笑顔をつくろうとしていたことは疑いないが、その表情はひきつっており、歯をむき出しにして無理やり笑顔を作っていることは一目瞭然であった。ドラマでいえば、非常に「くさい演技」であった。渡米前に周囲の役人が必死に振り付けをした結果、何とか素人芝居を重要な観客であるトランプ大統領に披露することができた。
 また、虎の尾を踏むような不用意な発言をしまいと自己規制し、本当であれば日本国として言うべきことがあっても、この場では決しては言わないと決めて臨んだわけである。まさに、絶対権力者が社長を務める巨大企業の面接試験を受ける入社希望学生のような立場で臨んだのである(少なくとも私にはそのように見えた)。
 さて、今回の会談を通じ、トランプ大統領は機嫌がよかったと感じた。そのはずである。日本の石破茂が、大きなお土産を持ってアメリカまで参上してくれたからである。お土産の内容のトップは、今後1兆ドル相当の投資をアメリカに行うという、とてつもない話である。
 もちろん民間企業が大半を出資するということになるはずであるが、1兆ドルとは日本円に直すと150兆円である。わが国の内政を見れば、国民民主党が要求する、いわゆる103万円の壁を見直して178万円とするよう要求している問題がある。これに対し、政府自民党は、仮にそのようなことをしたら、地方の税収が7兆円程度減ってしまい、到底無理だと言っている。7兆円程度でも渋い表情を示す一方で、石破茂首相が150兆円は大丈夫だと宣言する無責任な姿にはあきれるほかない。そのような金があるのであれば、どうして日本国内の産業振興ないし育成のために投資をしないのか?
 150兆円という投資には、もちろん民間からの投資が大半を占めると思われるが、しかし、民間といっても実は日本国民が出しているお金ということである。まさか、日本国民以外の外国人が出すお金を指しているのではないはずである。そうすると、日本人のお金がアメリカ人のために使われるという結果となり、日本の発展には全く役に立たないのである。この話には、大ぶろしきを広げることが好きな孫正義氏が絡んでいるとも聞く。非常に危ない話である。
 また、アラスカ産のLNG開発に向けた計画も進展させるという。もちろん、日米の共同開発事業がうまくいけば、日本は、比較的近い距離にあるアラスカからLNGを輸入することができるようになり、エネルギーの安定受給という観点からは良いことである。遠い中東からの輸入に依存する割合が減り、日本にとってプラスである。
 他方、ひとつここで疑問が浮かぶ。なぜアメリカは単独でアラスカの天然ガス事業をやろうとしないのか?自国の単独事業の方が好都合ではないのか。おそらく、アラスカという酷寒の地では開発が困難であり、また、多額の費用もかかるという理由からきているのではなかろうか。
 そこで、気前よくお金を出してくれる日本を引っ張り込んだというのが真相ではないかと思う。仮に技術力を持った他の先進国を仲間に入れた場合、遠慮なく異論が出て、計画がやりにくい。その点、日本は、難しい議論を吹っかけてこないから楽だということであろう。随分見くびられたものである。
 このように、今回の日米首脳会談は、アメリカにとっては大きな利益をもたらした半面、わが国にとってはほとんど利益のない結果で終わった。アメリカファースト、アメリカ第1主義のトランプ大統領がご機嫌だったのは、そのためである。これは推測であるが、トランプ大統領は、石破茂という人間を直接見て、「独自の思想にとらわれすぎる人間だ。国内に信頼できる仲間もいないようである。また日本の国益を追求してやまないタイプではない。ある意味単純だから与しやすい人間だ。これからも大いに利用させてもらう」と内心感じたのではなかろうか。
 このような平々凡々たる二流・三流の人物を首相にしてしまったのは、昨年の総裁選における自民党議員の間違った選択が原因である。自民党議員が自ら蒔いた種が、昨年の総選挙を経て、少数与党という悪い結果として現れたのである。このまま石破茂氏に首相を任せておいたときには、さらなる災難が日本国を襲うであろう。この人物には、可及的速やかに首相官邸から出ていってもらいたいと強く願う。

 

日時:17:55|この記事のページ

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