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弁護士日記

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東京一極集中は大問題だ

2025年04月15日

 本日(2025年4月15日)の新聞を見ていたら、一面の見出しに「日本人89万人減、最大」とあった。2024年の推計で日本の総人口は1億2380万人らしい。このデータを見て、まだ1憶人もいるから大丈夫ということではない。なぜなら、このままの人口減少が継続したら、数十年後には、推計で8000万人台まで低下するという予測も出ているからである。何としても少子高齢化の速度を減少させる必要がある。
 ここで、人口減少は、全国的な現象と思いきや、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)では目立った減少が起きていないという調査結果であった。そのため、首都圏の4つの都道府県だけで、日本の総人口の約30パーセントを占めている現状が生まれている。これは、とんでもないことである。どういう意味かといえば、国土の構成上、きわめて頭でっかちの構造が生じているということである。動物に例えれば、頭だけが異様に大きい生き物ということになるが、動物園にいる動物には、そのようなアンバランスな生き物はいないと思われる。そのような動物は既に絶滅していると思われるからである。
 東京を中心とした首都圏だけに人口が過剰に集中している現状は、まともな状態ではない。少し前のテレビの番組で世界の主要国の主要都市の人口増減状況について解説していたが、アメリカ(ニューヨーク)、ドイツ(ベルリン)、フランス(パリ)、イギリス(ロンドン)などは、かなり以前から人口は横ばいであるというデータが出ていた。ところが、日本(東京)だけが、異常に年々増加している。原因は何か?信頼できる専門家の解説を聴きたいものである。
 人口問題の素人である私の感覚によれば、原因は、東京だけが繁栄する構造を是正しようという意見または動きが、日本政府、国会、財界、教育界、言論界、マスメディア等に全くなかったことが一番の原因ではないかと思う。要するに、東京だけが繁栄する現状を肯定または黙認する勢力が圧倒的に多かったということではなかろうか。
 東京だけが繁栄するのは、日本各地の田舎で育てられた優秀な若手人材が、大学を卒業した時点で、霞が関の官公庁または大企業への就職という形をとって、ほとんど東京に吸い上げられているからである。結果、地方は、果樹栽培に例えれば、栽培という地味な役割を担い、実った果実は無料で東京に出荷させられるという損な役回りを担っているのである。
 テレビを見ていても、東京のキー局で制作した番組が日本全国に放映されている。報道番組もワイドショーも、全て東京のスタジオ目線で組み立てられている。東京都内の様子を元気に報告しているリポーターの顔を見ていると、何かおもしろくない。東京の様子など聞きたくもないのである。
 話は変わるが、主要国で日本だけがここ10数年以上、賃金が上がらない状態が続いていた。しかし、最近になって少しずつ変化が出てきた。証拠はないのであるが、日本だけが給料が上がらない状態が長く続いていた現象と、世界の主要都市のうち東京だけが年々人口を増やしてきた現象は、どこかで関連するような気がする。
 東京に何もかもが集中する現象は、例えば、巨大地震が東京を襲った場合には、想像を超える悲劇が起こるであろう。「日本沈没」ということにもなりかねない。被害を少しでも緩和するには、東京の優越的地位を象徴する国家機関を地方に配分する必要がある。具体的には、政府の官公庁、国会、最高裁判所という三権を、東京から地方都市に全部移転させるのである。ただし、政府の行政官庁のうち、少なくとも主要官庁と国会は同じ地域にないと全く仕事にならず、これらは一か所にまとめるほかないであろうが。そして、東京には経済・商業・観光都市としての機能を残すのである。
 既得権益が満載な事業だけに、十年、二十年でできることではないが、巨大地震が襲ってくる前に、何とか道筋をつける必要がある。仮に「地方繁栄党」というような政党があれば、今後、国会でかなりの勢力を占めることも可能ではないか。

日時:20:36|この記事のページ

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