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交通事故の法律Q&A

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Q26事業所得者の休業損害(その2)

設問私は自営業を営んでいますが、このたび交通事故に遭って店を3か月間閉めました。その間の休業損害を加害者に請求することはできるでしょうか?

Answer

事故で営業ができなかった場合、休業期間中の損害を加害者に対して請求することは可能です。

解 説

(3) 家族労働力の利用
 (a) 被害者の単独事業の場合
 事故被害者が自分だけで事業を営み、収益をあげている場合は、特に問題がありません。売上から必要経費を控除したものが、所得となります。
 (b) 家族労働を利用しているが給与を支払っていない場合
 被害者が自分以外に家族を使って事業を営んでいるが、特に家族に対し給与が支払われていない場合、被害者の所得は、被害者の寄与割合を乗じた金額となります。
 例えば、被害者甲とその妻乙の二人で理容店を経営していたが、甲は乙に給与を支払うことなく、全部自分の名前で300万円の所得申告をしていた場合、甲の所得は、300万円に甲の寄与割合を乗じた金額となります。仮に70パーセントの寄与割合であるとすれば、300万円×0.7=210万円が、甲の休業損害算定の基礎収入となります。
 (c)  家族労働を利用し、かつ、給与を支払っている場合
 上記の例で、甲が妻乙に対し専従者給与として、例えば年間50万円を現実に支払った結果、申告所得額が300万円とされている場合は、その300万円を基礎収入とすれば足りると考えられます。
 ただし、税金を少なくするだけの目的で、妻乙が理容店で全く働いていないにもかかわらず50万円を控除していた場合には、300万円に50万円を加算した350万円を基礎収入とすべきであるという見解が有力です(青い本62頁)。
(4) 代替労働力の利用
 事故被害者が、事故後の休業期間中に、休業を回避するために自分に代わって第三者に仕事をしてもらった場合(代替労働力の利用)、その者に支払った費用(経費)を休業損害として請求することができます。
 本来、休業損害とは、前記したとおり、事故前年の所得(確定申告額)を基礎として、実際に休業した期間の補償を加害者に対して求めるものです。しかし、厳密に休業損害を算定しようとすれば、まず事故後の売上から、必要経費を控除する作業を行う必要がありますが、その際、仮に事故に遭っていなかったとした場合に予想される売上を正確に推定することは困難とも考えられます。
 そこで、代替労働力を用いることによって、事故前年並みの売上を確保することができたのであれば、端的に、代替労働力に要した費用を休業損害とみなすことも可能と考えられます。
 例えば、事故被害者が休業中の3か月間に、代替労働力として100万円支出した結果、年間売上は事故前年並みの1,000万円を確保できた場合、事故被害者としては、100万円を休業損害として補償してもらえれば、損得が生じないことになります。
(5) 固定経費
 事故被害者が一時的に休業したとしても、怪我の治療が終わり次第、営業を再開しようと考えている場合が大半であると思われます。そうすると、事業再開に備えて、休業中であっても固定経費の支払いを余儀なくされることになります。多数説は、そのような固定経費も休業損害として算定することができるという立場をとっています(青い本66頁)。
 具体的に、休業損害に含まれる固定経費とは、例えば、営業店舗の賃貸料、減価償却費、保険料、電気代などの料金、修繕費などがあります。

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