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交通事故の法律Q&A

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Q33CRPS(RSD) (その1)

設問私は、散歩中に車に衝突されて転倒したのが原因でCRPS(RSD)に罹ってしまいました。そこで、自賠責保険に対し後遺障害の等級認定の申請をしましたが、7級という等級しか付きませんでした。しかし、私は、常に右上肢及び右下肢に強い痛みがあり、家ではほどんど寝た切りの生活を送っています。裁判で争った場合に、障害等級が重く変更されることはあるでしょうか?

Answer

自賠責保険では、認定される後遺障害等級に限界があり、CRPSの場合は、最高等級が7級とされています。しかし、訴訟を通じて裁判所が後遺障害の等級認定を行う場合には、そのような制限はありませんので、より重い等級が認定される可能性があります。

解 説

(1) CRPSとは
 CRPSとは、複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome)をいいます。CRPSは、かつてはRSD(反射性交感神経性ジストロフィー。reflex sympathetic dystrophy)ともいわれていました。
 その特徴は、仮にささいな怪我であっても、予想もつかないような強い疼痛が生じ、その他日常生活を送る上で深刻な障害が生じることにあります。しかし、CRPSについては、いまだ治療法が確立されていません。
 その後、国際疼痛学会は、1994年にCRPSの診断基準を提唱し、さらに、2005年には新しい診断基準を提唱しました。1994年の診断基準では、神経損傷の有無によってtype 1とtype 2に分けられていましたが、2005年の診断基準では、その区別がなくなりました。これらの病態が同じであることから、両者をあえて区別する必要がないと考えられたためです(小川節郎・ペインクリニックVol.29・95頁)。
(2) CRPSの診断基準
 (a) 世界疼痛学会の2005年診断基準
 前記のとおり、国際疼痛学会が提唱した最新の診断基準は、2005年のものです。臨床目的の場合と研究目的の場合で、要求される診断基準にやや違いがありますが、基準となる徴候は、次のとおりです。
 ①感覚障害
 ②血管運動障害
 ③浮腫・発汗機能障害
 ④運動栄養障害
の4項目です。
 そして、臨床目的の診断基準は、これら4項目のうちで、いずれか3項目以上のそれぞれについて1個以上のsymptom(自覚的症状)を含み、かつ、いずれか2項目以上に1個以上のsign(他覚的症状)を含むこと、とされています。また、研究目的の診断基準は、これら4項目のすべてにおいて1個以上のsymptom(自覚的症状)を含み、かつ、いずれか2項目以上に1個以上のsign(他覚的症状)を含むこと、とされています(前掲小川97頁)。
 (b) 厚生労働省CRPS研究班が提唱するCRPS判定指標
 厚生労働省CRPS研究班は、2008年4月にCRPS判定指標を提唱しました。それによりますと、次のようになります(AおよびBの双方の要件を満たす必要があります。)。
 (ⅰ) 臨床用CRPS判定指標
 A 病期のいずれかの時期に、以下の自覚症状のうち2項目以上該当すること。ただし、それぞれの項目内のいずれかの症状を満たせばよい。 
  1 皮膚・爪・毛のうち、いずれかに萎縮性変化
  2 関節可動域制限
  3 持続性ないしは不釣合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み(患者が自発的に述べる)、知覚過敏
  4 発汗の亢進ないしは低下
  5 浮腫
 B 診察時において、以下の他覚所見の項目を2項目以上該当すること。 
  1 皮膚・爪・毛のうち、いずれかに萎縮性変化
  2 関節可動域制限
  3 アロデニア(触刺激ないしは熱刺激による)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)
  4 発汗の亢進ないしは低下
  5 浮腫
(ⅱ) 研究用CRPS判定指標
 A 病期のいずれかの時期に、以下の自覚症状のうち3項目以上該当すること。ただし、それぞれの項目内のいずれかの症状を満たせばよい。 
  1 皮膚・爪・毛のうち、いずれかに萎縮性変化
  2 関節可動域制限
  3 持続性ないしは不釣合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み(患者が自発的に述べる)、知覚過敏
  4 発汗の亢進ないしは低下
  5 浮腫
 B 診察時において、以下の他覚所見の項目を3項目以上該当すること。 
  1 皮膚・爪・毛のうち、いずれかに萎縮性変化
  2 関節可動域制限
  3 アロデニア(触刺激ないしは熱刺激による)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)
  4 発汗の亢進ないしは低下
  5 浮腫

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