お問い合わせ電話番号
受付時間:午前10時~午後5時

052-211-3639

電話でのお問い合わせ
メール相談申し込み

交通事故の法律Q&A

交通事故の法律Q&A

Q2不法行為責任

設問交通事故の被害者が、加害者に対し民事上の責任を追及しようとする場合、法律上の根拠はどのように考えればいいですか?

Answer

交通事故の被害者のうち、人身損害(人的損害)については自動車損害賠償保障法3条の運行供用者責任を根拠とします。一方、物的損害については民法709条を根拠とするのが通常です。

解 説

(1)一般不法行為責任
 (a)不法行為の成立要件
 交通事故の被害者が、加害者に対しその責任(損害賠償責任)を追及しようとする場合、基本となる規定は民法709条の不法行為責任です。

 民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」

 その場合、被害者は、次の4点(不法行為の成立要件)について主張・立証する必要があります。被害者が、これらの4点をすべて立証できないときは、原則として、加害者の損害賠償責任は認められません。
 ① 被害者の権利または法律上保護される利益に対する加害者の加害行為があること。
 ② 加害行為について、加害者に故意または過失があったこと。
 ③ 被害者に損害が発生したこと。
 ④ 上記の①と③との間に因果関係があること。
 (b) 具体例への当てはめ
 例えば、甲が、わき見運転をしていたところ、たまたま横断歩道を歩行していた通行人乙をはね、その結果、乙が傷害を負い、治療費、休業損害、慰謝料などの損害が同人に発生した場合はどう考えるべきでしょうか。
 (ⅰ) 加害行為があったこと
 乙は、甲のわき見運転によって交通事故に遭って、自分の身体という人格権ないし法的保護に値する利益に対する侵害行為を受けていますから、①の加害行為の要件は満たしています。
 (ⅱ) 故意または過失があったこと
 甲は、横断歩道上を歩いている乙を、わき見運転の結果はねていますから、車を運転するに当たって、不注意つまり過失(注意義務違反)があったことは明らかといえます。よって、②の要件も満たします。
 (ⅲ) 損害の発生
 乙は全治2週間の怪我を負って治療費等が発生していますから、損害が発生したことは明らかであり、③の要件も満たします。
 (ⅳ) 相当因果関係の存在
 ①の甲の加害行為と、③の乙の損害発生との間には、相当因果関係が認められますから、④の要件も満たすと解されます。
(2) 自動車損害賠償保障法との関係
 上記のとおり、被害者が、加害者に対し損害賠償責任を追及する場合、民法709条を根拠として損害賠償請求をすることができます。
 ただし、人身事故(交通事故によって被害者が死亡し、または負傷するに至った事故をいいます。)に限っていえば、自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」といいます。)を適用して損害賠償請求権を行使することが可能です。
 自賠法3条は、運行供用者責任を定め、運行供用者が人身事故を起こしたときは、原則として、その者について損害賠償責任の成立を認めます。 
 ただし、加害者である運行供用者の側で免責要件を証明した場合は、例外的に責任が免除されることになります。
  

ページの先頭へ

Copyright (c) 宮﨑直己法律事務所.All Rights Reserved.