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交通事故の法律Q&A

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Q38死亡による逸失利益

設問私の父親は、ジョギング中に後方から来た車にはねられて死亡しました。死亡による損害には、どのようなものがありますか?また、逸失利益は、どのように算定されますか?

Answer

死亡事故が発生した場合に生ずる損害としては、死亡による逸失利益、死亡慰謝料、事故から死亡した日までの治療費、葬儀費などが主なものと考えられます。

解 説

(1) 死亡による逸失利益
 死亡事故による逸失利益は、次のように算定します。
 
 基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数=逸失利益
 
 (a) 基礎収入
 基礎収入については、被害者が、給与所得者、事業所得者、家事従事者、学生、無職者のいずれに該当するかによって異なります。
 ただし、年少女子については、基礎収入を、女子労働者全年齢平均賃金ではなく、男女計労働者全年齢平均賃金で算定するのが、最近の裁判の主流です。ただし、この場合、生活費控除率は、45パーセントを用いることが多いといえます。
 (b) 生活費控除率
 死亡による逸失利益を算定する際、その者が将来にわたって稼働するに伴って支出を免れない費用を控除する必要があります。これが生活費控除の問題です。これについては、おおむね次のような基準が採用されています(青い本130頁)。

 一家の支柱  30%~40%
 女性(女児・主婦を含む)  30%~40%
 男性単身者(男児を含む)  50%

 (c) 就労可能年数
 就労可能年数は、原則として、67歳までです。ただし、中高年者の場合は、死亡時から67歳までの年数と、平均余命の2分の1の年数(小数点以下は切り上げます。)を比較して、より長期の年数を使用します。
 また、未成年者の場合、就労可能年数は、原則として、18歳から67歳までの49年間となります。ただし、未成年者であっても大学生の場合は、大学卒業予定年齢である22歳を就労の始期とします(したがって、22歳から67歳までが就労可能年数となります。)。
(2) 年金の逸失利益性
 年金について逸失利益性を認めることができるか、という問題がありますが、最高裁判例は、これを原則的に肯定しています(最判平5・9・21判時1476・120)。
ただし、すべての年金について逸失利益性が認められているわけではありません。老齢年金(老後の生活を支える年金)および障害年金(重い障害を負った者の生計の維持を目的とする年金)については、逸失利益性が肯定されています(ただし、障害年金の加給分額については逸失利益性が否定されています。)。
 他方、遺族年金については、主に受給権者自身の生計の維持を目的とした給付であり、受給権者の婚姻、養子縁組など本人の意思による失権事由が定められていることから、必ずしも確実に存続するものとはいえません。また、受給権者自身が保険料を拠出していないことから、社会保障的性格が濃厚な年金といえます。これらの理由から、遺族年金については、逸失利益性が否定されています(最判平12・11・14判時1732・78)。
 なお、年金については、逸失利益性が認められる場合において、生活費控除率が、通常よりも高く設定される傾向があります。

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