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交通事故の法律Q&A

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Q45自賠責保険の基本的な仕組み(その1)

設問交通事故に遭って怪我をした場合、自賠責保険を使って補償を受けられるという話をしばしば聞きますが、自賠責保険とは、どのような仕組みになっていますか?

Answer

自動車を運行の用に供しようとする場合、その自動車は自賠責保険(または自賠責共済)が締結されたものである必要があります。そして、その自動車の保有者および運転者が、人身事故の被害者に対し損害を賠償する責任を負う場合、自賠責保険を使って損害を賠償することができます。

解 説

(1) 自賠責保険契約の締結
 (a) 自賠責保険の締結(自賠5条)
 自動車は、自賠責保険(または自賠責共済。以下、自賠責共済については、特にそれを表示する必要性のある場合を除き、省略します。)の契約が締結されているものでなければ、これを運行の用に供することができません(自賠5条)。ここでいう「自動車」とは、道路運送車両法2条2項に規定する自動車(ただし、農耕作業の用に供することを目的として製作した小型特殊自動車を除きます。耕耘機がこれに該当します。)および同条3項に規定する原動機付自転車をいいます。
 このように、責任保険契約が締結されていない自動車を運行の用に供することは、刑罰をもって禁止されています(自賠86条の3。1年以下の懲役または50万円以下の罰金)。
 ただし、一部の自動車については適用を除外されています(自賠10条)。例えば、自衛隊の任務の遂行に必要な自動車がこれに当たります。
 また、道路以外の場所のみにおいて運行の用に供される自動車についても適用が除外されています(同条)。例えば、工場の敷地内でのみ使用される作業車がこれに当たります(ただし、その自動車が、工場の外へ出て一般の道路を走行しようとする場合は、当然に自賠責保険の締結が必要となります。)。
(b) 自賠責保険の契約当事者(自賠6条)                                                                自賠責保険の契約当事者は、保険契約者と保険会社です。
 保険契約者の資格については、特に制限はないと解されますが、通常は、自動車の所有者が保険契約を締結することが多いと考えられます。
 他方、保険会社は、保険業法2条4項に規定する損害保険会社または同条9項に規定する外国損害保険会社等で、責任保険の引受けを行うものをいいます(自賠6条1項)。
 (c) 自賠責保険契約の成立(自賠11条)
 自賠責保険の契約は、自賠法3条による保有者の損害賠償責任が発生した場合に、これによる保有者の損害を保険会社が塡補することを約束し、保険契約者が、保険会社に対し保険料を支払うことを約束することによって効力を生じます(諾成契約)。                                                     また、運転者の損害については、保有者の損害賠償責任が発生した場合に限り、保険会社が塡補してくれます。このように、自賠責保険の被保険者は、保有者および運転者となります。
 (d) 保険会社の引受義務(自賠24条)
 自賠責保険については、保険会社に引受義務(締結義務)が課されています(自賠24条)。すなわち、自賠法24条1項は、「保険会社は、政令で定める正当な理由がある場合を除き、責任保険の契約の締結を拒絶してはならない。」としています。したがって、政令で定める正当な理由があれば、自賠責保険の引受義務が免除されます。
 そして、自賠法施行令11条3号は、保険料の支払いの提供がないことを正当事由の一つと定めていますから、保険料の支払提供のない自賠責保険契約締結の申込みは、実際問題として受け付けられていません。
 なお、自賠法12条は、「責任保険の契約は、自動車1両ごとに締結しなければならない。」と規定します。これは、文字通り、自動車1台について一つの責任保険を締結するということです。
 仮に1両の自動車について複数の自賠責保険が締結されることがあったとしても(重複契約)、締結時期が最も早い契約以外の契約については、免責されます(自賠82条の3第1項。)。
(2) 保険金の請求

  自賠法15条 「被保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。」

 (a) 加害者請求
 加害者が、被害者に対し損害賠償金を支払った場合、加害者は、自賠責保険に対し保険金の請求をすることができます(自賠15条)。これを加害者請求(15条請求)といいます。
例えば、甲が、自家用車を運転中にハンドル操作を誤って、歩行者丙に車を衝突させて丙に怪我を負わせたため、丙は、乙病院で治療を受け、乙病院に対し1万円を治療費として支払ったとします。
 この場合、車の保有者である甲には、自賠法3条の運行供用者責任が発生し、甲は、丙に対し損害賠償義務を負うに至ります。ところで、丙は、乙病院で1万円を支払ったため、1万円の損害が生じていますから、その損害1万円を甲に支払ってもらう権利があります。
 丙からの請求に応じて、甲が1万円を丙に支払った場合、甲は自賠責保険に対し、1万円の保険金を請求することができます。この場合、加害者の支払いを証明する領収書などを添付する必要があります。
 同じく、甲が、休業損害として10万円を丙に支払った場合、その10万円を自賠責保険に対し請求することができます。
具体的な請求方法や必要書類については、自賠責保険に問い合わせれば教えてくれます。なお、「保険金」の支払請求は、通常、自賠責保険に備え付けられている「自賠責保険金等支払請求書」を用いて行います。
 (b) 支払基準
 ただし、甲が支払った賠償金について、必ずしもその全部を自賠責保険が認めてくれるということではありません。自賠法16条の3が定める支払基準に抵触するもの(合致しないもの)は否定される、つまり、保険金の支払を受けることはできません。

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