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交通事故の法律Q&A

交通事故の法律Q&A

Q55法律相談を申し込む際の留意点(その2)

設問私は交通事故で怪我をしました。そこで、今後の対処法について弁護士に法律相談に乗ってもらいたいと思いますが、その場合どのような点に注意したらよいですか? 同じく行政書士へ相談をすることには、何か問題があるでしょうか?

Answer

相談をする際には、交通事故に関する資料をできる限り多くそろえて持参する必要があります。また、電話による相談は、信頼性にやや問題があると考えます。 行政書士は、有料で他人の交通事故に関する法律相談を行う資格はありません。そのような相談業務は、弁護士法違反の疑いがありますから、行政書士への相談はお勧めできません。

解 説

(5) 行政書士に対する相談
 行政書士が、報酬を得る目的で、他人の交通事故について、同人に対し法律相談業務を行う資格はありません。それは以下の理由によります。
 (a) 弁護士法72条
 弁護士法72条は、次のように定めます。

  弁護士法72条 「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」

(b) 弁護士法72条の法意
 弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現という使命を帯びた職業であることから、厳格な資格要件が設けられ、職務の誠実適正な遂行を確保するための規律に服するものとされています。
 仮に、弁護士資格を有しない者が、ほしいままに他人の法律事件に介入する状態を放置した場合、当事者の権利が十分に守られないおそれが生ずるのみならず、公共の秩序に乱れが生ずるおそれもあります。同条は、そのような好ましくない事態の発生を防止するための規定である、と考えられます。
弁護士は、司法試験という国家試験に合格した後、さらに司法研修所において司法修習生として法律実務の研鑽を積み、その卒業試験に合格後、各地の弁護士会に入会を許された者だけに与えられる資格です。
 なぜそのような高度で厳格な教育・訓練を通過する必要があるのといえば、弁護士は、極めて重要な職責を負っているためです。逆にいえば、このような高度で厳しい教育・訓練を経ていない者が、他人の法律事件を取り扱うことは認めないということです。
 (c) 法律事件とは
弁護士以外の者が取り扱うことを禁止される「一般の法律事件」とは、法律上の権利義務に関し争い・疑義があり、または新たな権利義務関係が発生する案件をいう、と解する立場が通説です。 
 (d) 例外規定
 しかし、弁護士法72条は、「ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」としています。
 ここで関係するのが、行政書士法です。行政書士法は、その1条の2で、行政書士の業務について定めています。それによれば、行政書士の本来の業務は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務または事実証明に関する書類を作成することです。
 しかし、行政書士は書類を作成するだけで、その提出は必ず依頼者本人が行う必要がある、というのでは余りにも実情に合いません。そのため、同法1条の3第1号で、行政書士が作成した書類を、行政書士自らが官公署に提出することも、行政書士の業務と定めています。
 (e) 行政書士が代理人として作成することができる書類
 また、同条第2号は、上記書類について、代理人として作成することを認めています。しかし、行政書士が代理人として作成することができるのは、あくまで法律事件に関しない書類の作成に限定されます。法律事件に関する書類を行政書士が代理人として作成することはできません(法律事務に該当することになるからです。)。
 (f) 弁護士法違反の疑いが濃厚な場合とは
 例えば、交通事故被害者からの相談に応じて、損害賠償額を計算することは、後遺障害の有無、休業損害の有無、逸失利益の有無、過失相殺の有無などの法的判断が必要となると考えられます。したがって、弁護士法72条が禁止する法律事件の法律事務=「鑑定」に当たると解されます。
 また、自賠責保険に対し、自賠法16条の被害者請求を代理人として行うことも、障害等級が認定されることによって、自賠責保険から損害賠償額の支払を受ける権利が新たに発生することになりますから、弁護士法72条が禁止する法律事件の法律事務=「代理」に当たると解されます。

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