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交通事故の法律Q&A

交通事故の法律Q&A

1はじめに

設問交通事故に遭ってしまいました。労働能力喪失率の認定はどのようにされるのでしょうか。

Answer

2017年に出版しました著書『判例からみた労働能力喪失率の認定』の内容に基づいて、最近の判例を題材に、次回以降から、等級の重いケースから順番に解説していきます。今回は、はじまりに当たって、労働能力喪失率の認定方法とその意義について説明します。

解 説

1 労働能力喪失率の認定方法
(1) 提訴前の等級認定手続
① 被害者請求
 被害者が、加害者の加入する自賠責保険に対し、等級認定の申請をする方法です。
自賠責保険は、損害保険料率算出機構が認めた後遺障害等級を前提に、自ら決定した後遺障害の等級を被害者に通知します。この場合、被害者は、自賠責保険から、障害等級に応じた損害賠償額の支払を受けることができます(自賠16条)。
② 加害者による事前認定
 加害者が加入している損害保険会社(任意保険会社)が、示談代行の権限を前提に、自賠責保険会社に対し被害者の障害等級認定の申請をする方法です。
任意保険会社は、被害者の便宜を図る目的から、本来であれば被害者が被害者請求によって自賠責保険から支払を受けるべき部分を含めて、一括して損害賠償金を支払うことがよくあります(これを一括払いといいます。)。その際、被害者に対し賠償金を支払う前に、同人について後遺障害が発生しているか否か、仮に発生しているときはその等級について、確認をしておく必要があります。これを事前認定と呼びます。
③ 異議申立て
 被害者は、被害者請求権を行使した場合でも、または加害者側の任意保険会社からの事前認定の結果を受けた場合でも、等級認定結果に不服がある場合は、異議申立を行うことによって等級の見直しを求めることができます。
(2) 被害者が裁判を通じて加害者に対して損害賠償金の支払を求める場合
 裁判所は、後記の支払基準や自賠責保険の等級認定の結果に拘束されることなく、被害者の労働能力喪失率を適切に認定することができます。

2 後遺障害等級認定の意義
 被害者の損害賠償額(逸失利益)の基準となります。
 逸失利益については、原則的には、被害者の年間収入を基に、自賠法施行令別表第1及び第2に記載された労働能力喪失率と、就労可能年数に応じたライプニッツ係数を乗じて算出した額とされています。
 例えば、後遺障害等級10級(労働能力喪失率27%)の認定を受けた被害者Aに関し、同人の症状固定時の年齢が60歳であり、同人の年収を500万円とした場合、同人の逸失利益は次のように算定されます。
 [計算]500万円×0.27×8.863=11,965,050円
 ただし、自賠責保険では、自賠法施行令別表第1及び第2に記載された保険金額が限度となっており、それを超える金額は支払われません。後遺障害等級10級の場合の保険金額は461万円となっています。

(注) 自賠法施行令 別表1・別表Ⅱ
別表1
1級  4000万円  100% 
2級  3000万円  100%
別表2
1級  3000万円  100%     8級  819万円   45% 
2級  2590万円  100%     9級  616万円   35%
3級  2219万円  100%    10級  461万円   27%
4級  1889万円   92%    11級  331万円   20%
5級  1574万円   79%    12級  224万円   14%
6級  1296万円   67%    13級  139万円    9%
7級  1051万円   56%    14級   75万円    5%

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