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交通事故の法律Q&A

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Q5異時事故

設問私は、車を運転して交差点で一時停止していたところ、甲の運転する車に追突され鞭打ち症に罹って治療を受けていました(第1事故)。ところが、第1事故から3か月後、治療先の病院に向かう途中で、今度は乙の運転する車に再び追突され、せっかく治りかけていた鞭打ち症が悪化してしまいました(第2事故)。しかし、病院で治療を継続した結果、第1事故から5か月後に、鞭打ち症は症状固定(完治)するに至りました。私は、誰に対し、どのような損害賠償を請求することができますか?

Answer

第1事故と第2事故とは、別の日に発生していますから、事故の数は1個ではなく2個となります(異時事故)。そして、第1事故発生時から第2事故発生時までの損害については、甲の単独責任となります。他方、第2事故から症状固定日(完治)までの損害については、考え方が分かれます。

解 説

(1) 第1事故から第2事故までに発生した損害
 第1事故から第2事故までに発生した損害については、すべて第1事故を起こした甲の単独責任となります。
(2) 第2事故から症状固定時までに発生した損害
 (a) 異時事故とは
 第1事故が発生してから3か月後に第2事故が発生しています。これら二つの事故は、時間的・場所的な同一性がありませんから、いわゆる異時事故となります。
 ここで、第2事故(異時事故)が発生した時から症状が固定する時までの間に生じた損害について、誰がどのような損害賠償責任を負うのか、という問題があります。これには、二つの考え方があります。
 (b) 二つの立場
  (ⅰ) 不法行為の競合にすぎないとみる立場
この見解は、日時・場所を異にして発生した複数の事故は、社会的にみて1個の行為ということはできないと考えます。そして、社会的にみて1個の行為と認められないような事故については、関連共同性を認めることはできず、したがって、民法719条1項の共同不法行為の適用を肯定することはできないとします。そのため、このような場合は、単なる不法行為(民709条)の競合にすぎないと考えます。
 そして、第2事故が発生してから症状固定日までに生じた損害については、第1事故の加害者である甲と、第2事故の加害者である乙が、各人の寄与割合(寄与度)に従って、それぞれ損害賠償義務を負うことになると解します。
  (ⅱ) 共同不法行為の成立を認める立場
第2事故が発生してから症状固定時までに生じた損害についても、甲および乙の共同不法行為の成立を認める立場があります。この考え方は、第2事故発生時以降、症状固定日までに生じた損害について、甲および乙の寄与割合を被害者側が証明することは容易ではないことを主な根拠とします。
 そして、第2事故が発生してから症状固定日までに生じた損害については、甲と乙が、連帯して損害を賠償する義務(全部賠償義務)を負うと解します。
 (c) まとめ
 このように、異時事故の場合は二つの考え方に分かれますが、判例の多数は、前記(ⅰ)の立場を支持しています。第1事故および第2事故が、時間的にも場所的にも近接していない場合は、社会的にみてこれらの事故には関連共同性がないとして共同不法行為の成立を認めない傾向が強いといえます。

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