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交通事故の法律Q&A

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Q11運行供用者責任が問題となる場合(その2)

設問自賠法3条の運行供用者責任が問題となる事例について、具体的に教えてください。

Answer

運行供用者に該当するか否かが問題となるのは、多くの場合、車の保有者と現実の使用者が分かれている場合です。 

解 説

(4) 親の所有車を子が運転した場合
 親が所有する車を、同居する子が親の同意を得ることなく運転し、人身事故を起こした場合、子に運行供用者責任があることは当然です。
 では、車を勝手に持ち出された親にも責任があるのか、という点が問題となります。同居の家族間では、親の車を子が運転することについて、通常、親は包括的に同意を与えていると考えられます。また、親は車に対する運行支配と運行利益を有していると考えられますので、親にも運行供用者責任を肯定する立場が一般的です。
 なお、子が所有する車を、親が運転中に人身事故を起こした場合であっても、日頃から親にその車を使用させていたような事情があるときは、子にも運行供用者責任が認められる場合が例外的にあります(大阪地判平21・2・16交民42・1・154)。
(5) レンタカーの場合
 (a) レンタカー業者の責任
 レンタカー業者は、客が、借りたレンタカーで人身事故を起こした場合、原則として運行供用者責任を負担すると解されています。なぜなら、レンタカー業者は、車を客(借主)に賃貸する契約を結ぶ際、客について運転免許証その他一定の利用資格の有無を審査していること、同契約上、使用期間は通常は短期間であること、賃貸料金も相当高額にのぼること、客は利用時間、走行区域、制限走行距離等の規約遵守義務を負っていること、などの理由をあげることができるからです。
 (b) 客の責任
 レンタカーを借りた客が、レンタカーを自分で運転中に起こした人身事故について、運行供用者責任を問われることに異論はありません。
 また、数人がレンタカーを共同で借りて、交代で運転するなどしてレンタカーの運行に積極的に関与していると認められる場合は、そのうちの1人が事故を起こした場合に、事故当時は運転行為をしていなかった他の者にも、共同運行供用者責任が発生することがあり得ると考えられます。
(6) 車を修理に出した場合
 客が自分の所有する車を修理に出したところ、修理業者が修理車を運転して人身事故を起こした場合、修理業者が運行供用者責任を負います。この場合、仮に修理業者の従業員が事故を起こした場合であっても、修理業者が運行供用者責任を負担することになります(最判昭44・9・12民集23・9・1654)。
 一方、車を修理に出した客は、車を修理に出した時点で車に対する運行支配と運行利益を失うと考えられますから、運行供用者には当たらないと解されます。
(7) 運転代行業者の場合
 (a) 運転代行業者の責任
 運転代行業者は、車の所有者である客の指示に基づいて、指定の場所まで車を運転する事務を有償で請け負っていると考えられますから、車に対する運行支配と運行利益を有すると解されます。したがって、運行代行業者は、運行供用者に該当すると解されます。
(b) 客の責任
 他方、車の所有者である客は運行供用者に当たるかどうか、という問題があります。車の所有者は、客としての立場で、原則的に車の運転を代行業者に委ねているとしても、依然として車の運行について、代行業者に対し指示を出せる立場にあると考えられます。したがって、客もまた運行供用者に該当すると解されます。

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