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交通事故の法律Q&A

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Q12自賠法3条の「他人」の意味

設問自賠法3条の運行供用者が責任を負う相手は、「他人」であると聞きました。ここでいう「他人」とは、どのような者を指しますか? 

Answer

自賠法3条の「他人」とは、運行供用者および運転者(運転補助者を含みます。)を除くそれ以外の者を指します。 

解 説

(1) 自賠法3条の「他人」の意味  
 自賠法3条によって保護を受ける者は、同条でいう「他人」です。ここでいう他人とは、運行供用者および運転者(運転補助者を含みます。)以外の第三者を指します。
 例えば、甲社の所有するトラックを、従業員である乙が業務上運転していたところ、誤って通行人丙を轢いて怪我を負わせた場合、甲社は運行供用者に当たり、また、乙は運転者に当たりますが、通行人丙はそれ以外の第三者に当たりますから、他人として保護されます。
 ちなみに、夫の運転する車の助手席に妻が同乗していたところ、夫が運転を誤って事故を起こし、妻が負傷した場合に、最高裁判例は、「妻も他人に当たる」という判断を示しています(最判昭47・5・30民集16・12・898)。
 さらに、親甲の運転するワゴン車の後部座席に子供乙が同乗して信号待ちをしていたところ、後ろから丙の運転するトラックが追突し、乙が死傷した場合、乙は、親甲および丙との関係で、他人になります。
(2) 共同運行供用者
 発生した事故について、運行供用者は、必ずしも一人とは限りません。例えば、甲所有車を乙が甲から借りて運転中、丙と衝突して同人を負傷させた場合、甲および乙は、いずれも運行供用者としての責任を負います。この甲および乙のような者を共同運行供用者といいます。
(3) 共同運行供用者の他人性
 (a) 問題の所在
 共同運行供用者のうちの一部の者が事故で受傷した場合、他の運行供用者に対し、自分が他人に該当すると主張できるか、という問題があります。例えば、甲社が所有する車を甲社の従業員である乙が運転して、後部座席に甲社の取締役丙を乗車させて走行中、乙の運転ミスが原因で交通事故を起こし、車の後部座席に乗っていた丙が受傷した場合、運行供用者は甲社と丙の二人となります(共同運行供用者)。
 この事例において、仮に共同運行供用者である丙が他人に当たるとされた場合、丙は、甲社に対し運行供用者責任を追及することができることになります(また、乙に対し不法行為責任を追及することができます。)。
 一方、仮に丙が他人に当たらないとされた場合、丙は甲社に対し、使用者責任を追及することになります(また、乙に対し不法行為責任を追及することができます。)。なお、運行供用者責任を追及する利点は、保有者の損害賠償責任が発生した場合、自賠責保険の適用が認められる点にあります。
 (b) 最高裁判例の立場                          最高裁判例は、共同運行供用者については、いずれの方が車に対する支配力が強いか、という基準を立てて問題を解決する手法をとっています。
 すなわち、上記の車に対する甲社の支配の程度は、「間接的・潜在的・抽象的」であるのに対し、取締役丙の支配の程度は、「直接的・顕在的・具体的」であるとして、取締役丙は甲社に対し、自分が自賠法3条の他人に当たると主張することを認めませんでした(最判昭50・11・4民集29・10・1501)。

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