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交通事故の法律Q&A

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Q17飲酒運転事故を起こした公務員の責任

設問甲県の職員である乙は、休みの日に焼肉店で古くからの友人である丁と食事をとりました。その際、2人で瓶ビール2本を飲んだ後、丁は乙に対し、近くにある自宅まで送って欲しいと依頼しました。これに応じた乙は、丁を同乗させた上で車の運転を開始しましたが、途中でハンドル操作を誤って交差点内を歩行していた丙をはね、同人に全治1か月の重傷を負わせました。この場合、乙にはどのような責任が発生するでしょうか?また、同乗していた友人丁はどうなるでしょうか?

Answer

乙には、民事上の責任、刑事上の責任および行政上の責任の三つのペナルティーが加えられることになる可能性が高いです。また、友人丁も、民事上および刑事上の責任を追及される可能性があります。

解 説

(1) 民事上の責任
 (a) 乙の責任
 乙は、友人丁とともに飲酒をしていますから、飲酒後は自家用車を運転することを中止する義務を負っています。
 ところが、乙は、自家用車を運転して丁宅に赴く途中で、丙をはねて人身事故を起こしていますから、自賠法3条の運行供用者に当たり、運行供用者責任を負います。その結果、丙に対し損害賠償責任を負います。
 (b) 丁の責任
 一方、乙の友人である丁の責任はどうなるでしょうか。丁は、乙に対し積極的に自宅(丁宅)まで送り届けることを要求していますから、丁もまた運行供用者とされる可能性があります。仮に丁もまた運行供用者とされた場合、丁は、乙と同様に損害賠償責任を問われることになります(民法719条1項の共同不法行為責任)。
仮に、乙の方から丁に対し、積極的に車に同乗して帰宅するよう勧めたところ、丁は一応その申出を断ったが、結局、車に同乗したような場合は、運行供用者責任を問うことは困難と解されます(ただし、民法719条2項によって不法行為の幇助者とされる余地が残ります。)。
(2) 刑事上の責任
(a) 乙の責任
 乙は、ハンドル操作を誤った結果、歩行者である丙をはねて同人に重傷を負わせていますから、刑法211条2項の自動車運転過失致傷罪が成立します。
 また、乙は、道交法が禁止する酒酔い運転の罪または酒気帯び運転の罪に問われる可能性が極めて高いと考えられます。 
(b) 丁の責任
丁は、乙が酒気を帯びていることを知っていながら、乙に対し、車で自宅まで送り届けるよう要求して同乗していますから、道交法65条4項の罪が成立します(この場合、罰則は、道交法117条の2の2第4号または同117条の3の2第2号の適用となります。)。
(3) 乙に対する行政上の責任
(a) 懲戒処分
 乙は、甲県の職員ですから、一般職の地方公務員に当たり、同人には地方公務員法の適用が認められます。その結果、同人に対し懲戒処分が下される可能性が高いといえます。
 また、乙が犯した罪について公訴が提起され、刑事裁判の結果、禁固以上の刑が確定した場合は、乙は失職するため、当然に公務員の身分を失うことになります。
(b) 運転免許の取消処分
 乙は、運転免許の取消処分を免れないと考えられます。

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