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交通事故の法律Q&A

交通事故の法律Q&A

Q23家屋改造費、備品購入費、弁護士費用などの問題

設問交通事故で大きな怪我をしました。そのため重い後遺症が残ってしまい、日常生活に大変支障を来しています。このような場合に、家屋を改造する費用を加害者に請求することは可能でしょうか?その他、問題となる損害項目についても教えてください。

Answer

家屋の改造費については、必要性が認められる限度で、損害賠償の対象となります。その他、備品購入費、子供の学習費、葬祭費、弁護士費用などが問題となります。

解 説

(1) 家屋改造費
 家屋改造費とは、怪我の治療が終わった被害者について、重い後遺障害が残った場合に、普通の日常生活を送るために家屋(玄関、トイレ、風呂場、階段、廊下、寝室等)を改造する費用を指します。
 例えば、事故によって、被害者に下半身麻痺の後遺障害が残った場合、被害者のみでトイレを使用することは、通常困難といえます。その場合、トイレの使用を容易にするため、トイレを身障者用に改造する必要性が生じます。
 家屋改造費が認められるかどうかは、改造の必要性および改造の相当性が認められることが必要です。判例の傾向をみると、改造費を認めた場合であっても、全額を認める場合と、その一部の金額を認める場合があります。  
(2) 備品購入費
 備品購入費とは、事故被害者に必要と考えられる義足、松葉杖、車椅子、電動車椅子、ベッド、電動ベッド、義歯、パソコン等を購入する費用をいいます。これらの備品の多くは、消耗品に該当しますので、耐用年数を経過するごとに将来の買換え費用も認められます。
 例えば、将来的に被害者が使用する電動車椅子(時価30万円)の費用として、今後18年間にわたって、5年ごとに買い替える必要があるとされた場合、その買換え費用の計算式は、次のとおりです(ここでは、現在使用分も含めてあります)。なお、年5パーセントのライプニッツ現価は、5年目が0.784、10年目が0.614、15年目が0.481です。
 300,000円×(1+0.784+0.614+0.481)=863,700円
(3) 子供の学習費
 子供が事故の治療のために学校を休んだ場合に、その間の授業料が無駄となり、さらに二重払いを余儀なくされることがあります。このような場合に、被害者は、加害者に対し学習費(授業料)を損害として請求することが認められます。
(4) 葬祭費
 事故の被害者が死亡した場合、遺族は、加害者に対して葬祭費を請求することができます。葬祭費については、実際にかかった費用を全部請求することができるということではなく、実務上は、原則として、130万円~170万円を上限として認められています(青い本34頁)。
 なお、仏壇購入費や墓碑建立費は、原則的に請求することはできません。
(5) 弁護士費用
 (a) 弁護士費用の取扱い
 被害者が、加害者に対し事故による損害賠償を請求する場合、自分ひとりでこれを行うこともできますが、弁護士に事件処理を委任して行うこともできます。
弁護士に委任して、加害者に対して損害賠償を請求する場合、示談や調停を利用して合意による円満解決を目指す場合と、訴訟を提起して判決で解決することを目指す場合に分かれます。
 事故被害者が、弁護士に委任して訴訟で事件の解決を図った場合に限り、相当額の弁護士費用が損害として認められます。つまり、相当の弁護士費用を加害者に請求することができます。
 この点について、最高裁は、「事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、右不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきである」と判示しました(最判昭44・2・27民集23・2・441)。つまり、被害者が加害者に対して裁判を起こし、その結果、判決で損害賠償額が決定された場合に、被害者が自分で委任した弁護士費用についても、相当額分を加害者に負担させることができるということです。
 (b) 弁護士費用として認容される具体的金額
 ただし、現実に依頼者が弁護士に支払った弁護士費用がそのまま認められるわけではありません。現在では、認容された損害賠償額のおおむね1割程度が弁護士費用として認められています(青い本49頁)。
 例えば、裁判所が認めた損害賠償額が3,000万円だったとした場合、弁護士費用として認められる金額は、原則的に300万円から280万円程度となります(ただし、地方裁判所の中には、例えば名古屋地裁のように、これよりも相当低い割合の弁護士費用しか認めないところがあります。)。
 なお、任意保険で弁護士費用特約保険に加入していたとしても、弁護士費用を損害として請求することができます(大阪地判平21・3・24交民42・2・418)。
  

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