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弁護士日記

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労働生産性を高めることが肝要だ

2025年07月06日

 令和7年も、本日で半年を過ぎた(本日は7月6日)。残りは5か月と3週間余りである。ちょうど参議院議員選挙が始まった。私は、「日本第一主義」をとるので、投票先は確定している。既に期日前投票を済ませた。
 さて、テレビ報道では、各党の党首が、それぞれ今回の選挙に向けて自分の党の政策を発表している。いろいろなことを訴えているが、中には、問題にならないようなおかしな主張を大真面目で行っている党もある。言論の自由があるから、他人(他党)に対する違法な名誉毀損にならない限度で、何を主張するかは各自の自由である。しかし、国民の中には、間違った主張に影響を受ける者もいるだろうから、余り薦められることではない。
 さて、各党の議論の中でも取り上げられることであるが、いわゆる先進国の中で、なぜ日本だけが、きわめて長期間にわたって賃金がまったく伸びなかったのか?私は経済の専門家ではないから、正直なところ原因についてはよく分からない。
 思うに、労働生産性が上がっていないことが一つの原因ではなかろうか。労働生産性とは、一番簡単にいえば、実際に投入された労働力に対し、どれほどの成果があがったかという指標である。
 卑近な例をあげると、弁護士は、依頼者から事件解決の依頼があり、仮に示談ができずに裁判に至った場合、各裁判の期日(弁論)ごとに自分の主張や相手方の主張に対する認否または反論を出す必要がある。
 その書面を準備書面という。一回あたりの書面のページ数は事案によって変動するが、一般的には、おおよそ5ページから10ページ程度に収まるのではなかろうか。問題は、その準備書面を仕上げるために要する時間である。
 仮にAというベテランの優秀な弁護士であれば半日程度で仕上がるところ、同じレベルの書面を作成するのに、法律がよく分かっていないBという弁護士の場合は丸2日かかったとする。
 この場合、A弁護士とB弁護士の労働生産性には4倍の格差がある。つまり、A弁護士と比べてB弁護士の労働生産性は、極めて低いということになる。A弁護士とB弁護士の年間総労働時間が同じと仮定した場合、極めて単純化すれば、A弁護士は、B弁護士の4倍の稼ぎ(年収)を得ることが可能ということになる。
 このように、各産業についても、労働生産性を上げることができれば、賃金を伸ばすことが可能となると考える。例えば、木造住宅建築のことを考えた場合、平均的な総床面積の建築の場合、上棟式(建前)から、通常、3~4か月で完成し、施主に完成した建物を引き渡すことができるとされている。
 これを超えるケースの場合、例えば、上棟式の日から5か月を経過しても、完成・引渡しに至っていないような場合、工事を請け負った建築会社に何か問題があると考えられる。
 原因として考えられるのは、例えば、(1)職人の技量が平均以下であるため建築工事が進まない場合、また、(2)工事を請け負った会社の資金繰りが切迫しているため、必要な部材がタイムリーに現場に届かない場合、あるいは、(3)担当するはずの職人が急に辞めてしまったため工事が迅速に進まない場合、さらには、(4)無理をして採算のとれない安値で工事を受注しているため最初から適正な人数の職人の配置ができず、工事が遅滞している等の原因が想定できる。
 特に、上記(2)の場合、建築中に突然建築会社が自己破産申立てをして、以降の工事がストップすることも起こりうる。注文者としては、請負人である建築会社の説明を鵜呑みにせず、常に警戒をする必要があろう。とにかく、一般論としていえば、工事が普通よりも遅れているという状況は決して良いことではない。
 工期が通常期間を超えて伸びることは、工事現場の周辺住民にとっては騒音等の迷惑行為を長期間にわたって受けることを意味する。また、施主にとっても仮住まいの賃料負担が日々増大する結果となり、良いことは何もないのである。良心的な建築会社であれば、極力、早期完成・引渡しを考えているはずである。
 住宅の新築を計画中の国民は、最初に、業者に対し、完成・引渡しまでの工期についてよく確認を行い、円滑な工事施工を保証する業者(労働生産性が高い業者)を慎重に選ぶことが、きわめて重要といえよう。一方、昭和の時代の遅れた常識を引きずっているような質の悪い業者は淘汰されるべきである。
 なお、個人事で恐縮であるが、2年前の2023年の4月中旬頃から近隣の病院(無人のS病院)の大規模な解体工事が始まり、日々、騒音が継続した際には非常にストレスを感じた。しかし、解体業者(M社)の現地監督であるT氏は人当たりがよく、誠意をもって対応されたため大事には至らず、同年8月10日に解体工事は無事完了した。
 

日時:13:44|この記事のページ

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