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弁護士日記

弁護士日記

渡部悦和著「米中戦争そのとき日本は」(講談社現代新書)を読んで

2016年11月29日

 近年、中国による海洋進出が日増しに強まっている。南シナ海や東シナ海における海洋権益を声高に主張し始めている。中国の主張には、何らの根拠はなく、分かりやすく例えれば、泥棒が他人の財物を奪おうとして「おれによこせ」と脅迫しているようなものである。
 ただし、中国にとって、目の上のたんこぶのような存在がアメリカである。アメリカが睨みをきかせているため、余り無体なことはできない。例えば、他国に対し宣戦布告を行い、戦争を始めるような馬鹿なことはしない。
 中国という国は、非常に悪知恵が働く国である。したがって、戦争には至らない状況下のまま、自国の利益を獲得しようとする。よく言われることであるが、少しずつ既成事実を積み重ねて、相手国が根負けをすることを狙う。例えば、尖閣諸島が我が国の固有の領土であることは当たり前のことであるが、中国の艦船や共産党の命を受けた漁船団が尖閣諸島の日本の領海に侵入する行為を繰り返す。ここで、我が国が根負けをしてしまうのを気長に待つという方法をとっている。しかし、日本としてはそのような中国のやり方を見過ごすことは絶対にあってはならない。
 さて、今回、渡部氏の本によれば、中国の軍隊である人民解放軍は、中国共産党の軍隊であり、中国という国家の軍隊ではない(50頁)。指揮権は、中国共産党中央軍事委員会にある。そして、人民解放軍の目標とは、世界最強の米軍と戦ってこれに勝つことにあるという(53頁)。
 米中の軍事衝突の可能性について、渡部氏は4つの可能性をあげる。第1は、米中が真っ向から軍事衝突する場合であり、第2には、尖閣諸島をめぐる衝突であり、第3の場合が台湾紛争、第4の場合が南沙諸島における紛争をきっかけとするものである。いずれの場合であっても、日本は無関係では済まず、戦争に巻き込まれる。
 私が見たところ、第2と第3のケースによって米中戦争が勃発する可能性が高いと思う。特に、第2の場合は、我が国固有の領土である尖閣諸島に対し、中国が軍事侵攻を開始するのであるから、我が国がこれに対して率先して防衛する立場にあることは当たり前のことである。
 その場合、渡部氏は、中国の人民解放軍がいきなり攻めて来るのではなく、準軍事組織による大規模な侵攻が行われる可能性が高いと説く(229頁)。その点は、私も同感である。
 なぜなら、人民解放軍の海軍の軍艦が攻めてきた場合、日米安保条約に基づいて米軍が直ちに介入することになるため、中国としては勝手が悪いのである。そのため、軍事訓練を受けた武装漁民(海上民兵)が乗った何百隻もの漁船が尖閣諸島の領海になだれ込み、武装漁民(海上民兵)が島に上陸してこれを占領するという作戦に出る可能性が高い。
 その場合、我が国が対処できる現場の職員(実働部隊)は、現行法による限り、海上保安官や警察官に限定される(231頁)。しかし、数で圧倒する中国に対し、僅かばかりの数の海上保安官や警察官が適切に対処できるとはとうてい思えない。
 渡部氏は、このような事態に対処するための方法として、二つのものをあげる。一つは、海上保安庁の能力と権限の拡大・強化である。他の一つは、自衛隊に対し、領海警備の権限を付与するための立法を行うというものである。私も、これには大賛成である。
 最後に、渡部氏の見立てでは、中国の習近平は、日本に勝つためには、あらゆる手段を講じてくるであろうし、その場合、国際法も民主主義国家における倫理もすべて無視して攻撃をしてくるであろうと予想する(247頁)。例えば、我が国に発生した大規模自然災害(主都直下型の大地震)に乗じて攻撃を開始する可能性があるという。これには私も全く同感である。
 中国という国は、力の信奉者である。決して平和の愛好者ではない。であれば、我が国の平和と安全を守るには、中国の野望を打ち砕くに足る強力な軍事力を確実に整備することが肝要と考える。そのためには我が国の経済力のさらなる発展も必要となる。
 また、専守防衛とは、防衛一本やりという狭い意味ではなく、我が国を攻撃してきた敵国の軍事力・軍事基地を叩く能力も含むものと解釈を変更する必要がある。その意味で、防衛の要ともいうべき潜水艦部隊の数を、最低でも今の2倍の数とするほか、中国本土の爆撃も可能な長距離爆撃機や強力な巡行ミサイルの開発も急務と考える。

日時:14:34|この記事のページ

北方領土交渉の行方を予想する

2016年11月25日

 来月に、ロシアのプーチン大統領が我が国の山口県を訪問し、安倍首相との首脳会談が開催される。果たして北方領土は日本に返還されるであろうか?私は、今回も交渉は妥結せず、先送りになると予想する。
 その理由であるが、1945年の8月9日、当時の共産主義独裁国家であったソ連は、我が国との日ソ中立条約を一方的に破棄して我が国に対し戦争を開始した。当時の我が国は、アメリカとの戦争に疲弊し、とてもソ連と戦う力は残っていなかった。人間に例えれば、重病のために動くことすらできないような状況であった。
 自国の利益となるのであれば侵略を全く厭わないソ連は、我が国を侵略する絶好の好機と捉えて、千島列島と樺太に対する軍事的な侵略を堂々と開始したのである。当時の国際法で定められた日本とソ連の国境線は、1905年のポーツマス条約で決まっており、樺太については南半分が日本の領土であり、千島列島については、北端に位置する占守島(シュムシュ島)から南端に位置する得撫島(ウルップ島)までの全てが日本領とされていたのである。なお、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島は、千島列島ではなく、北海道の一部にすぎない。一度も外国の支配下に置かれたことがない、我が国固有の領土である。
 そのような国際法による事実を無視して、ソ連は、我が国に対する侵略を行ったのである。その結果、当時、我が国の領土とされていた南樺太、千島列島は無論のこと、我が国の固有の領土である歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島についても、不法占拠(illegal occupation)を戦後一貫して行っているのが、ソ連でありロシアなのである。
 不法占拠の理由について、ロシア外務省は、第二次世界大戦の戦利品であるという見解をとっているが、いい加減極まる理屈である。我が国は、第二次世界大戦でソ連に対し戦争をしかけた事実はなく、それどころか日ソ中立条約を一方的に破られ、無法な戦争をソ連から仕掛けられたのである。これに対し、ドイツの場合は、ヒットラー率いるドイツ軍が一方的にソ連の領土に攻め入っているのであるから、ソ連としてはドイツに対して軍事的な反撃を行うことは自然である。
 我が国は、1951年のサンフランシスコ平和条約で南樺太と千島列島を放棄したことは事実であるが、上記のとおり、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島は、千島列島ではなく、北海道の一部にすぎず、我が国がこれらの固有の領土を放棄した事実はないのである。
 我が国のこれまでの立場は、四島一括返還である。しかし、歴史的にみて他国に対する侵略を何とも思わないロシアが、この要求を飲むはずはない。分かりやすい例をあげれば、強盗団が住民から奪った財宝を任意に返還することはあり得ないのである。
 安倍首相がどのような提案をもってプーチンとの間で平和条約に向けた合意を形成しようとしているのかは不明であるが、現実を見る限り、歯舞群島と色丹島すら返ってこない可能性が高いと予想する。まして、経済協力を先に推進するという方法は、ロシアにうまくしてやられたという最悪の結果で終わる可能性が高く、先に経済協力を行うという案は愚策というほかない。
 ロシア流に言えば、「日本よ、文句があるなら、戦争を起こしてロシアに勝って島を取り戻せ」ということなのであろう。であれば、今後100年でも200年でも待ってその好機を狙うほかないと考える。

日時:16:16|この記事のページ

農地法セミナーin東京を終えて

2016年11月07日

 本年10月27日・28日と、恒例となっている日本経営協会東京本部主催の農地法セミナーが都内で開催され、私は、例年どおり、講師として講義を担当した。受講生の方々の人数は、全部で30名であった。参加者の多くは、関東・甲信越・東北地方の自治体(県、市町村)の職員の方々であった。東京本部の場合、最近の参加人数は、30人台で推移している。
 講義で使用したテキストは、九州本部のセミナーの際にも使用したが、「農地法講義[改訂版]」である。いわば、定番のテキストといってよい。この本は、今年の9月に改訂版が出たばかりである。
 さて、講義は、他の会場と同じく、初日が、午後1時から午後5時までの4時間であり、翌日が、午前10時から午後4時までの5時間であった。全9時間に及ぶ講義を、私一人が全て行うのであるから、体力が要る。今のところその体力は十分ある。
 28日の午後4時に二日目の講義を終えると、私は、箱根湯本に向かった。当日は箱根湯本にある温泉に宿をとった。このホテルはいわゆる巨大ホテルであり、お湯のレベルは期待しない方がよい。私としては本物の湯につかりたいのであるが、そのような宿は「一人旅お断り」となっているため、残念ながら、泊まりたくても泊まれない。
 最近では各地の観光地は外国からの旅行客が増えているようである。マスコミの論調はこれを歓迎するものが多いが、私個人は余り快く感じていない。外国からの旅行客が増えるということは、宿泊費が高騰して割高となるし、また、人気のある観光地が混雑することになってゆっくりと見物することが困難となって、何も良いことはないのである。できれば、外国からの観光客は余り増えて欲しくはないというのが私の本心である。
 29日は、静岡県の沼津市にある沼津港深海水族館を訪れた。水族館でシーラカンスの冷凍標本などの珍しい深海生物をみてから、沼津港にある売店で干物のお土産を買ってその日のうちに自宅に戻った。

日時:13:03|この記事のページ

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