058-338-3474

お問い合わせ電話番号
受付時間:午前10時~午後5時

電話でのお問い合わせ

弁護士日記

弁護士日記

宝くじのコマーシャルに疑問あり

2024年04月24日

 テレビの民放番組を見ていると、必ずコマーシャルが入る。民間の営利目的放送局であるからこの点は已む得ない。もともと私はテレビを見ない(特に、お笑い芸人たちが仲間内で騒いでいるだけの中身のない番組は、たとえ、1時間3万円の報酬をあげると言われても、見ない)。理由は、貴重な時間が無駄になるからである。しかし、天気予報や国際・国内のニュースはよく見る。
 民放番組を見ていて、ここ数年、「なぜ、このようなバカバカしい宣伝を頻繁にする必要があるのか?」と疑問に思ったコマーシャルがある。
 それは、宝くじのコマーシャルである。ほとんど当たる確率がないにもかかわらず、「1億円あたったら」などと叫びながら、コマーシャルに登場する5~6人のタレントが騒ぎまくるという内容は、詐欺すれすれの問題だらけのコマーシャルであった。当たりもしない(正確には、大金を獲得できるクジはほとんど当たらないようになっている)宝くじを買うように全国民を煽るコマーシャルは、この世も終わりかと思わせるくらい酷い内容であった。
 コマーシャルに出ているタレントたちは、一体どのような気持ちでこのような仕事を引き受けていたのであろうか。たとえ、仕事とは言えども、あのバカ騒ぎを演じていた連中に対し、一度聞いてみたいものである。
 ところが、最近、大リーグの大谷選手の通訳を務めていた水原一平氏による窃盗または横領事件がアメリカで露見し、日本でも、連日連夜、テレビがこの問題について報道していた事実がある。それによれば、水原氏は、重度のギャンブル依存症にかかっていたことが分かった。ギャンブル依存症にかかっていたため、あのような重大な裏切り行為を、大胆かつ密かに実行していたのである。
 ここで、上記の日本における宝くじの宣伝行為の問題に戻る。宝くじは、本来は刑法上禁止される違法行為であるが、特別法によって合法化されている。そのため、法律が認めた範囲内で宝くじを売ることは法的には問題ない。
 しかし、テレビ放送を使って、毎日のように「宝くじで1億円ゲットしよう」というような内容の放送を継続すれば、その番組を見ている青少年に対する悪影響は無視できない。なぜなら、「宝くじで大儲けできる」という安易極まる間違った考え方が知らぬ間に蔓延する危険があるからである。そうなると、やがて、テレビを見ていた多くの青少年が大人になったときに、ギャンブル依存症に罹患する確率が高まることが懸念されるからである。
 ところが、水原氏の一件が大々的に報道された後は、宝くじのコマーシャル放送も、やや落ち着いた内容のものに変化している(ただし、将来、再びバカ騒ぎの内容に戻る可能性もあるため警戒が必要である)。これは、果たして偶然であろうか?今後もウオッチする必要がある。

日時:16:27|この記事のページ

ページの先頭へ

Copyright (c) 宮﨑直己法律事務所.All Rights Reserved.