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弁護士日記

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弁護士の就職難を考える

2007年07月10日

 今年は、年間で約2500人が司法修習を終えて、裁判官、検察官あるいは弁護士として旅立つ。そのうち、2250人内外の者は弁護士として実務に就くと予想される。しかし、ここに来て、「弁護士の就職難」という問題が発生している。就職したくても全員が希望どおり既存の法律事務所に就職できないという現象が起きているのである。
 従来のような一定期間の「勤務弁護士(いわゆるイソ弁)」を経て、独立するというパターンが崩壊しようとしているのである。雇う側からすれば、今までのような高額な給与を支払ってまでイソ弁を雇用する必要がない、あるいは経済的余裕がないということである。
 そのため、「ノキ弁」なる新語まで出てくる始末である。ノキ弁とは、従来の法律事務所に、ノキ弁用の机と椅子は置いてあるが、仕事は、当該法律事務所とは無関係に行うという形態のものを指しているようである(まだ、ノキ弁の正確な定義がない。)。また、当然であるが、従来の法律事務所から、原則として「給与」は出ない。
 問題は、その弁護士がどれほどの仕事をこなせるかということである。常識的に考えても、司法修習を終えたばかりの「駆け出し弁護士」に、世の中の人が期待するほどの実力がそなわっていると考えるのは無理である。しかし、営業のための宣伝をインターネットなどによってうまく行えば、世の中の人にそういう不利な事実を知られずに仕事を獲得することができるかもしれない。
 その場合に、仕事を現に依頼した人々から、その弁護士の仕事のやり方に対する苦情が大量に発生しないか、今から懸念される。この問題は、根本的には、確たる見通しもなく、単に法曹人口を急激に増加させる政策が望ましいとする路線を採用した司法当局の不見識から生じていると考えるが、いかがであろうか。

日時:17:54|この記事のページ

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