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弁護士日記

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川勝知事の辞任表明は当然だ

2024年04月06日

 令和6年も4月に入った。テレビや新聞を見ても、余り嬉しいニュースはない。そのような停滞した状況下で、4月2日、静岡県の川勝知事が、いきなり辞意表明を行った。事の発端は、県庁内で令和6年の新規採用の職員に対する訓示の中で、職業差別とも受けとられる問題発言をしたことにある。これについて同月2日、川勝知事は、記者の取材中に、唐突に「6月議会をもって職を辞そうと思う」と発言した。これは文句なく良いニュースであると感じた。
 この川勝知事であるが、これまでいろいろと問題発言を繰り返していた。私の記憶にあるのは、菅義偉総理大臣の在任中に、菅総理の学歴をバカするような発言をしたことである。私の記憶では、川勝知事の発言の真意は、自分は知識と教養を備えた真の文化人であるが、菅総理は〇〇大学で空手の稽古に明け暮れただけの非文化人(深い教養を欠く者)という風に聞こえた。実に他人を見下した態度であり、世間でいう鼻持ちならない人間とは、川勝知事のような人物を指す言葉だと感じた。いわゆる「文化人」にはこのようなタイプが多いのではなかろうか。
 我々弁護士も、法律相談の際に、相談者から、しばしば「先生」と呼ばれることがある。確かに、相談者の立場から見れば、相談に乗ってくれる弁護士から専門的な意見ないし見解を教えてもらえるのであるから、学校でいえば、生徒と先生の関係に類似する点があり、余り違和感はない。
 ところが、弁護士が多数集まる会議などで、出席した弁護士同士で、さかんに「〇〇先生」、「〇〇先生」と呼び合っている姿には大きな違和感がある。むしろ、滑稽な姿に映る。「〇〇さん」で十分ではないのか。ところが、現実には、相変わらず「〇〇先生」という呼びかけが主流であり、このような会合には余り出たくないのである。ただし、親しい弁護士同士では、「〇〇さん」という呼び方が普通である。また、国民の公僕である政治家(議員)を「〇〇先生」と呼ぶ姿も全くおかしい。「〇〇議員」または「〇〇さん」で足りる。世間では、政治家が実物以上に過大評価されているということであろうか(このような選挙民の低い意識が、阿呆な世襲政治家の台頭を許しているとも考えられる)。
 さて、川勝知事の大罪であるが、リニア中央新幹線の開通を相当な理由もなく妨害したことである。川勝知事の屁理屈とは、静岡県内にトンネルを作ると、大井川に流れ込む流水の量が減ってしまって、流域に位置する静岡県(民)が被害を被るおそれがある、だから南アルプストンネル(静岡県内の区間は10.7キロメートル)工事の着工を絶対に認めないというものである。しかし、仮にトンネルを作ったとしても、これまで延々と大井川に流れ込んでいる水の量を維持する技術ないし手法は現時点で確立されていると聞く。
 仮にそうだとすると、一体、川勝知事は、これまでの長きにわたって何を目的としてトンネル工事の着手を妨害してきたのか?川勝知事の掲げる理由は、あくまで表向きの屁理屈であって、裏には何か黒い悪意があるのではないのかと疑われる。このような不可解な問題が発生した場合、「リニア中央新幹線の開通が遅れることによって得をするのは誰か?」という問題解決の原則を思い出す必要がある。サスペンスドラマに例えれば、「この人間が死んで得をするのは誰か。その人間に犯行の動機がある。その人間が怪しい」という思考方法である。
 本日、午前9時30分から放送があった「正義のミカタ」によれば、解説者として呼ばれていた人物から、リニア中央新幹線を推進しているJR東海と非常に仲の悪い企業(S社)があるが、その企業は、川勝知事を全面的に支援している関係にあるとの発言が出ていた。その発言の真偽は不明であるが、仮に本当だとすると、川勝知事の動機は、S社の意を受けた単なる嫌がらせということになる。これは、国民・県民をバカにした話である。
 一刻も早い完成が待たれるリニア中央新幹線は、仮に海沿いに位置する東海地方に巨大地震が発生した場合において機能をほぼ完全に喪失する現在の東海道新幹線に代わって、重要な交通機関としての役割を担うことになる。リニア中央新幹線の実現は、まさに重大な国益にかかわる話なのである。
 知事としての適格性を欠く川勝知事に対し、本年6月ではなく、即時辞職を強く求める。

 

日時:12:39|この記事のページ

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