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弁護士日記

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篠原常一郎著「日本共産党 噂の真相」を読んで

2021年03月07日

 この本の著者である篠原常一郎氏は、1979年に日本共産党に入党し、同党の国会議員秘書を務めたこともあるが、2004年に党を除籍された人物である。「日本共産党 噂の真相」(育鵬社)は、タイトルだけ見ると、何かの暴露本のような印象を受けるかもしれないが、内容は、いたってまともであり、読む価値がある。
 この本の第1章は「日本共産党は今も暴力革命を目指しているのか」という表題である。ここには、日本共産党がとっている基本的な思想が分かりやすく解説されている。共産主義の基本思想とは、一言でいえば、共産主義社会を目指すというものである。しかし、いきなり共産主義が実現するわけではなく、封建主義→資本主義→社会主義→共産主義と変遷する(19頁)。
 ここで社会主義とは、昔からよく言われている定義があり、「各人が能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」という社会を指す。社会主義が完成すると、次に共産主義となり、「各人が能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」社会が実現すると説く。共産主義の社会では、貧困も差別もない平和な世の中が実現すると宣伝する。各国の共産党は、共産主義の理想社会を目指して活動を行うというものである。
 私見によれば、共産主義社会という理想の社会が今後、地球上で実現することなどあり得ず、共産主義の実体は、一種の宗教と考えるべきであろう。ちょうど、仏教徒の世界では、人間は亡くなると皆が浄土に行き、仏様になるという教義が有力であるのと似ている。しかし、このような事実経過は、いまだかつて客観的に証明されたことがなく、単なる主観ないし思想にとどまっている(ただし、日本国憲法の保障する個人の信教の自由の下、国民は、各自が信じる宗教を信仰することは当然に許される。)。
 さて、現在、中国という、共産主義を掲げる異質な強権国家が出現しており、世界平和に対する重大な脅威となっている。人類の歴史上、昔からいろいろな専制国家または独裁国家が存在したが、共産主義を掲げる国で、外見上、発展を遂げている国は中国以外にはない。そこで、中国という強権国家の今後の行動を予測する上で、共産主義の思想の特徴をとらえておくことは有意義である。
 篠原氏のこの本の20頁を読むと、「日本共産党は『民主集中制』という統治システムを理想としています」と書かれている。民主集中制は、正確には、民主主義的中央集権制という。全体方針は、党員が民主的に討議して決定するとされている。しかし、政策を決定するとされている一般党員は、公正な選挙で選ばれた者ではなく、上部機関が恣意的に選んでいる。また、ここでいう「集中」とは、情報と権力が上部機関に集中するという意味であり、下部組織や一般党員は、上級機関の決定したことに従う義務がある。要するに、一部の上級党員の決めた筋書きに従って、全体の方針が決められるということである。
 まさに、中国の全人代がこれに当たる。全人代は、西欧民主主義国家の国会や議会とは全く違うものであり、共産党の幹部党員による決定を、表面上あたかも民主的に決定されたように取り繕う仕掛けというほかない。
 また、共産主義の特徴は、武力をもって他国に軍事進攻し、外国人を武力で弾圧し、共産主義を外国人に対して強制しようとするものであり(23頁)、まさにその実例が中国共産党によるウイグル族の弾圧である。他国民(ウイグル族)からすれば、外国である中国の共産主義の自分たちへの押し付けは、非常な苦痛を伴う非人道的な行為と映るが、当の中国共産党の方は、自分たちの行いについて、おかしいと思う気持ちは皆無であり、逆に文句を言う方が間違っているという極めて独善的な考え方を持っている点に特徴がある。
 現在、香港で起こっている異常な事態も、中国共産党から見れば、中国共産党の「正しい」考え方を広めるためめの必要な措置ということになる。
 以上のような事実を前提に考えた場合、今後、中国という異質な全体主義国が発展することは、地球上のまともな国々にとっては、あってはならないことである。中国共産党の考え方とは、一言でいえば、世界を征服し、地球規模で、非人道的・反人権思想を諸外国に押し付けようとするものである。中国という国と西欧民主主義国家は、相容れない存在であり、中国共産党と西欧民主主義国家が共存することもあり得ない。
 日本について言えば、北京冬季五輪(2022年冬)が終わった後に、中国は、尖閣諸島に対し侵略を開始し、同時に、台湾に対しても侵略を開始するであろう。日本にとっては、太平洋戦争以来の戦争が現実のものとなる。我が国の与野党は、国内のちまちました小さな問題に囚われているのではなく、今から、戦争に備えた準備を整える必要がある。
 武漢ウイルス(新型ウイルス)の件ですら、その対策をめぐっていろいろな混乱が国内で生じている。2022年の中国による侵略は、机上の空論ではなく、現実の懸念である。中国による侵略に対抗するためには、日米安保条約に頼るばかりでは駄目である(果たしてバイデン政権が米軍を派遣するかどうか、分かったものではないからである。)。日本政府は、自分の国は自分で守るという決意を固め、また、国防のための準備を怠りなく進めることが肝要である。
 

日時:20:46|この記事のページ

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