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弁護士日記

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牧田善二著「人間ドックの9割は間違い」(幻冬舎新書)を読んで

2015年07月14日

 本屋で上記の本を買った。私は、日頃から健康問題にも関心が高い。そのため、ここ10年間余りは、愛知県にある医療機関で何回も人間ドックにかかっている。
 しかし、最近になって、「人間ドックにかかって、血液や尿の検査をした結果を教えてもらっても、そのことが果たして大いに役に立っているのか?」という疑問をいだくに至った。
 悪玉コレステロールの数値や血糖値の値を教えてもらい、確かに、以前よりも、食べ物や生活習慣に気を付けるようになったことは間違いない。何も知らずにいるよりは、確実に健康維持に役立っている。しかし、我々が一番怖い病気とは、言うまでもなく癌である。テレビなどを見ても、最近は、毎日のように健康に関する番組があって、いろいろな医者が、医学知識を解説してくれる。
 したがって、そのような健康番組を長期間見ていると、知らないうちに、かなりの初歩的医学知識が身に付いてくる。特に、予防医学のための知識が、知らぬ間に身に付き、健康にとって悪いことは避けるようになってきている。癌については、早期発見、早期治療が一番だと思う。問題は、人間ドックが、その目的を果たすために多少なりとも役に立っているのか、ということである。
 牧田医師は、人間ドックでは、一番危険な病気である癌を早期に発見することはできないと言う(64頁)。その原因として、人間ドックでの検査項目は、癌の早期発見には役に立たないという。その一例として、胃部のバリウム検査をあげる。胃部のバリウム検査では、早期の癌を発見することはできないという。
 私もバリウム検査を受けたことが何回もあるが、コップに入ったバリウム剤を飲むのは、決して楽しいことではない。また、硬い機械の台に載せられて長時間にわたる撮影は苦痛である。毎回のことではあるが、「なぜこのようなことをしなくてはならないのか。こんなことをして胃癌の早期発見ができるのか。」と疑問を感じる。
 牧田医師は、バリウムを飲むくらいならば、最初から、胃カメラを飲んだ方が、早期発見という目的からは確実であると説く(69頁)。さらに、胃部のバリウム検査を行っているのは、医師ではなくレントゲン技師であること、また、バリウム検査を受けると相当量の被曝を伴うこともあげる(胸部X線検査の150倍~300倍もの被曝となる。)。
 私もそう思う。胃癌が心配であれば、最初から、胃カメラを飲む方が効果的であることは疑いない。ただ、私もかなり前に、ある病院で人間ドックを受けた際に、胃カメラを飲んだことが一度だけあるが、その時は簡単には飲み込めず、やや苦労したことがあり、嫌な記憶が今でも残っている。
 この点について、牧田医師は次のように言う(129頁)。「そもそも、口から飲む胃カメラで苦しい思いをさせられたなら、その検査機関は古い道具を用いているか、下手な医者がやっているかのどちらかですから、眠っている間に、苦痛なく検査してくれるところに変更したほうがいいでしょう」と。
 最近では、検査機器も進歩しているようであり、私としても、今後は、より苦痛の少ない検査をやってくれる医療機関に変えようと思っているところである。また、胃部バリウム検査は、今後は受けるつもりはない。
 牧田医師は、先日、テレビに出ておられて、「小さい車をもっている。」と発言したのに対し、司会者が、「お車は何ですか。」と聞くと、確か、「ポルシェです。」と答えておられた。したがって、本業でかなり儲けておられると見た。
 人間ドックに対し、何か疑問を持っている人々にとっては、非常に役に立つ情報が平易に書かれている本であると思う。広く一読をお薦めしたい。

日時:14:31|この記事のページ

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