お問い合わせ電話番号
受付時間:午前10時~午後5時

052-211-3639

電話でのお問い合わせ
メール相談申し込み

弁護士日記

弁護士日記

平成21年版防衛白書を読んで

2009年11月13日

 今年の防衛白書を読んでみた。今年の防衛白書は全427頁の大部のものであるが、その内容は、第1部から第4部までの4部構成となっている。
 私が一番関心を持っているのは、中国の軍事動向である。中国については、白書の47頁から63頁までに記載がある。それによれば、中国は、社会主義体制をとる国家であり、中国共産党による指導の下、富国強兵を目標としているとされる。この防衛白書の記述は、私の認識と同じである。建前はともかく、中国は、将来にわたって軍事力においてアメリカと並ぶ戦力を保持したいと願っているのではないか。軍事力を強化し、周辺諸国と圧倒的な格差をつけることができれば、いろいろな面で有利であることは、かつての古代中国における秦の始皇帝を思い浮かべるまでもなく明らかなことである。
 そして、われわれ日本にとって、一番懸念されるのは、中国の国家体制が国民による統制を受ける民主主義国家ではなく、中国共産党による独裁体制であるという点である。この点は、決して見逃してはいけない重要な点である。国民の声が政治に正確に反映されない国家というものが、いかに国民にとって有害で不利益を及ぼすものであるかという点については、日本における自民党長期一党政権の弊害を見れば明らかであろう。
 その中国共産党による独裁体制を堅持するための国家の軍事費は、過去21年連続で、二桁の伸び(増加)を示しているのである。平和を望む日本人として、いったい中国は何を考えているのかという疑念をいだかざるを得ない点は、ここにもある。そして、中国当局が公表する数字ですらこのような高率の伸びを示しているのであるが、実態は、さらに増加しているというのが大方の専門家の見解である。
 現在、中国の保有する核戦力は、大陸間弾道ミサイル、潜水艦発射弾道ミサイル、中距離弾道ミサイル、短距離弾道ミサイルなど各種の大規模破壊兵器等である。特に、我が国を射程に収める中距離弾道ミサイルについては、核爆弾を搭載することが可能であり、白書には明記されていなかったが、100発以上の核ミサイルが我が国の国土に照準を合わせて、いつでも発射できる準備が整っていると言われている。もちろん確たる証拠は手元にないが、ほぼ間違いない情報と考えてよいであろう。
 さらに、中国は、戦闘機を搭載して中国本土から離れた海域にまで進出することを可能とする原子力空母の建造計画を実行に移していると聞く。空母は、主に本土から遠く離れた地域での戦闘行為を可能とするものであるから、我が国として見れば、将来、例えば、東京近辺の海域にまで中国海軍の空母がその姿を現す事態も想定する必要がある。
 また、戦闘機は、アメリカのF22ラプターに代表される第5世代の最新戦闘機に匹敵する性能を有する戦闘機の開発に取りかかっているという情報もある。F22は、ステルス性能が他の戦闘機に比べて格段に優れており、レーダーに捕捉されないという特長をもつ。
 現在の我々日本人の多くは、平和を希求してやまない善良な国民であるが、しかし、世界はそのような国民だけで構成されているわけではない(現にアメリカのように、常に戦争をしている国もある。)。日本が率先して他国に対して戦争を仕掛けるということは、日本国憲法下ではきわめて想像しにくい事態である。しかし、他国が、日本の国力低下または油断に乗じて、日本に対する侵略行動を起こすことは、相当の確率で将来あり得ることである。
 その場合、世間の中には、ときどき「話合いで解決すればよい。戦争は絶対嫌だ。」という意見を吐く人がいる。その意見は正論であって間違いではない。しかし、世界の国家と国家の利害が深刻に対立した場合に、話合いでは解決できないことはあるのである(北朝鮮による拉致問題が解決しないのは一例である。)。その場合、最後に物を言うのは、軍事力である。そのことを決して忘れてはいけない。

日時:17:11|この記事のページ

カテゴリー

月別バックナンバー

最近のエントリー


ページの先頭へ

Copyright (c) 宮﨑直己法律事務所.All Rights Reserved.