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弁護士日記

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小川榮太郎著「徹底検証 テレビ報道「嘘」のからくり」(青林堂)を読んで

2018年01月04日

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 今年も、交通事故訴訟を初めとして、いろいろな事件の解決に取り組む弁護士としての仕事と同時に、難解な法律を分かりやすく一般国民に解説するための法律実務書の執筆を継続するつもりであります。今後も引き続きご指導・ご鞭撻を宜しくお願いします。
 年始の挨拶を済ませたところで、本年もまた、政治外交問題を中心に、正しい意見を世の中に発信してゆきたい。
 私は、昨年の暮れから新年にかけて、上記の本を読んだ。この本は、昨年に話題となった「徹底検証『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(飛鳥新社)の著者である小川榮太郎氏が書いた本である。
 一読して、私が従来から覚えていた問題意識を共有する良書であると思った。この本は、全国の津々浦々の公立図書館に配置して欲しいくらいである。この本からは、小川氏のジャーナリストとしての良識・良心が感じられる。
 その正反対の位置に存在するのが、テレビ報道のコメンテーターの勝手な意見である。この本を読んで改めて意識したことがいつくもある。
 私が特に内容が酷い(最悪)と感じているテレビ番組に、日曜の午前中に放映されている「サンデーモーニング」がある。
 この番組の司会者は、タレントの関口宏氏である。私も、5~6年ほど前に、短時間ではあるが何回か見たこともある。しかし、その内容が酷すぎるので、それ以来、一切見ないようにしている。
 どこが酷いかというと、虚実を織り交ぜて、テレビを見た善良な国民を、間違った方向に誘導(洗脳)しようという悪意が感じられたからである。
 また、この番組には、いちおう学者の肩書を持っているが、私に言わせれば「これが学者か?」と批判したくなるような面々も出ていたことを思い出す。
 ここで、小川氏は、「サンデーモーニング」に対して次のような指摘をする。「先の『時事放談』、『世相を斬る』と比較するまでもなく、司会が関口氏であることからして、知識人による討論番組ではなく、バラエティー番組です。政治が大人の知的な、静かな、高度の言論の対象から、お茶の間の好き勝手なお喋りの対象に移ってゆく一歩でした」と言う(153頁)。
 つまり、まともな政治討論番組であれば、それなりの事実と論理をもって自分の意見を述べる必要があるが、他方、その番組の本質がバラエティー番組であれば、事実の裏付けがあろうとなかろうとは特に重要ではなく、単に、発言者の主観に基づいて、言いたい放題を述べても、責任を取らされることは原則としてないということである。サンデーモーニングもその手の番組であるから、床屋談義以下の無責任な発言が許されるのであろう。
 小川氏は、憲法学者の木村草太氏についても言及する。「例えば、報道ステーションが重用する憲法学者の木村草太氏は、37歳、学術的な業績もない上、一般的な憲法関連の著書で社会的に認知されているわけでもなく、学説も日本の憲法学会という問題だらけの学会の平均値に比べてさえ、法学的に無理な憲法解釈を披歴しています。何でこんな無名の若者がいきなり高視聴率の報道番組のコメンテーターとして出てきたのか。要するに、左翼から左翼への人脈利権の中で、テレビで聞かれる専門家の見解は極左や反保守のオンパレードになっているのです。」と見事に断罪する(195頁)。
 私も、古舘伊知郎氏が報道ステーションの司会を務めていた当時、木村草太という若輩者が憲法学者の肩書で登場し、いろいろと見当違いのおかしな意見を述べているのを耳にして、「何の実績もないのに、よくも憲法学者の肩書でテレビに出ることができるな」という印象を受けていた(同じく、かつて古舘伊知郎氏が信用し、いろいろな話題について神妙にそのご託宣を受けていた、ショーンKは、経歴詐称が発覚して降板したことは記憶に新しい。私は、経歴詐称が発覚する前に、もっともらしい意見をテレビで述べていたショーンKに対しても「この人物は何か怪しい」と胡散臭さを感じていた。)。
 なお、私は、もともと憲法学者というものをほとんど信用していない。
 憲法学者は、憲法を学問として研究し、自分が唱える学説を、講義を聴講する学生に伝える一職業にすぎず、日本国民に対し何らの責任を負うものではない。
 憲法学者は、国民から選挙で選ばれて、国民から負託を受けてその地位についている職業ではないからである。
 したがって、一国の国民の大きな利益にかかわる問題について、何を発言しようと、後になってその責任を追及されることのない「気楽な稼業」にすぎないのである。換言すれば、「言いたい放題」が、学問の自由又は言論の自由の美名において許されてしまう職業なのである。
 したがって、しばしば野党議員の口から発せられる「憲法学者の多数が、そのような法律は憲法違反の疑いがあると言っている」、「だから法案に反対する」などという論理は、まやかしと言うほかない。
 私にいわせれば、憲法学者が何を言おうと、その意見は、あくまで個人としての参考意見にすぎず、立法の是非は、立法機関である国会において、国民から選挙で選ばれた議員が審議をして決定すれば足りるのである。
 やや話が逸れたが、今のテレビ報道の在り方には大きな問題点がある。良き日本を実現するためには、日本社会に根強く巣食っている左翼勢力(ないし反日勢力)の勢いを、削ぐための努力を惜しまぬことが求められる。それには、まず、正しい事実を知ることが重要であり、その意味で、上記の小川氏の著書を広く推薦したいと考える。正しい事実を知ることこそ、世にはびこる虚偽報道を防止する一番の要諦である。

日時:13:28|この記事のページ

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