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弁護士日記

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損保と闘う(14)

2015年02月10日

 交通事故の被害者からの相談を受けた場合、弁護士として考えるべき第1の点とは、紛争をどのような手段で解決するかという点である。示談で済ますのか、あるいは訴訟で徹底的に争うのか、という点をよく考える必要がある。
 示談で済ます方が好ましい場合とは、被害者の怪我や後遺症の程度が軽い場合、あるいは被害者の方が早期解決を望んでいるような場合である。
 そのような場合には、示談で紛争を解決する方が一般的にみてよいと思われる。
 その理由であるが、被害者の怪我や後遺症の程度が軽い場合は、賠償金額自体が余り高額にならないことが多い。その場合に、あえて訴訟を起こすと、いわゆる「費用倒れ」ということになりかねない。
 裁判が終わって加害者が加入していた損保会社から損害賠償金を受け取ることができたことはよいが、その賠償金から弁護士費用を控除すると、手元に、期待したような金額が残らなかったということになるおそれがあるからである。
 ただし、被害者の方が、任意保険に入っており、「弁護士費用特約」を付けている場合は別である。その場合は、弁護士費用は自分が入っている保険会社の方が全額負担してくれる。被害者としては、弁護士費用は自己負担額が0円となるのであるから、加害者の損保会社が支払った損害賠償金は、全部自分のものとすることができる。
 示談で紛争を解決する方が好ましいと考えられる第2の場合とは、被害者の方が早期解決を望んでいる場合である。早期解決を望む場合とは、例えば、被害者の方が高齢者であって寿命が残り少ない方とか、何らかの病(持病)を抱えていて解決を急ぐ必要がある方の場合である。また、仮に若い方であっても、事情があって現在の居住地から、近日中に、遠方の土地に移転を予定しているような方もこれに含められる。
 かつて、交通事故訴訟事件ではなかったが、ある依頼者が肺がんにかかっておられ、どうしても解決を急ぐ必要がある事件があった。この事件では、判決を待っていたのでは間に合わないということで示談で済ませたのであった。もちろん、その依頼者の持病のことは一切秘密にして交渉した。
 その結果、裁判上の和解によって、一定の和解金を得ることができた。その方は、和解が成立してから、1年もたたないうちにこの世を去られたのであった。私としては、その方が元気なうちに事件を解決することができて本当に良かったと安堵したものである。

日時:13:11|この記事のページ

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