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弁護士日記

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ゴーンを地獄の底まで追及せよ

2020年01月07日

 日産事件の刑事被告人であるゴーンが日本から逃亡したのは、昨年の12月29日のことであった。金の亡者であるゴーンが、スパイ映画さながらに、その金力に物を言わせて日本から逃げた。実に卑劣な輩である。日本国の司法権(より正確に言えば、日本そのものである)を愚弄したその汚いやり方は絶対に許すことができない。日本の歴史に汚点を残した事件であると言えよう。日本の検察・警察は、ゴーンが死んで地獄に落ちても、事実解明のための追及の手を休めてはならない。
 今回、ゴーンの逃亡の経緯が次第に明らかになってきた。
 新聞報道によれば、ゴーンは、昨年12月の29日午後に一人で東京の自宅を出て、近くの高級ホテルで、今回の逃亡計画を立てた関係者(ただし、この関係者又は協力者が事件の首謀者であったのか、あるいは下っ端の実行者にすぎなかったのかは不明である。)とともに、JR品川駅から新幹線に乗り、JR新大阪駅まで行き、そこでタクシーに乗り換えて関空近くまで移動し、関空近くのホテルに入った。そこで、ゴーンは、大きな箱に入った。協力者はその箱を関空のプライベートジェット機専用ゲートまで運び、ゴーンは人間ではなく「荷物」として出国審査をすり抜け、待機していたプライベートジェット機に搭乗したというのが事実らしい。その際、X線検査も受けていなかったと言う。
 ここで、一人の日本人として大きな疑問が湧く。なぜ、X線検査を受けずに出国ができたのか?
 プライベートジェット機に乗るような人物は、その身元も身分もしっかりとしているから、わざわざX線検査を義務付けるまでのことはない、という判断が法務省(出入国管理庁)にあったようである。つまり、プライベートジェット機に乗れるような者は、社会で成功した人物であるから、大丈夫ということなのであろう。
 そのため、X線検査を受けることなく、大きな箱に入ったままの状態で、プライベートジェット機まで行くことができたのであろう。そして、ゴーンは、ジェット機の中で、箱から出て、客室の中で、仕事を請け負った協力者とともに、「やったー。まんまと日本から出ることに成功した。日本人は本当にお人よしだな。はっはっはっ。」と喜んだに違いない。ゴーンは、トルコを経由して故郷であるレバノンに入国した。その際に、自分のパスポートを提示して入国したという。そのパスポートとは、弘中弁護人が、鍵のかかった箱に入れてゴーンに渡したものであると考えてよい。つまり、ゴーンは、弘中弁護人から受け取ったパスポートを利用してレバノンに入国したのである。 私は、その光景を想像するだけで、はらわたが煮えくり返る思いがする。このような場合、単に怒っているだけではダメであろう。今回の件を反省材料とし、二度と、このようなことを起こさせないためのポイントを押さえることが重要である。
 ここで、仮に関西空港でゴーンの入っている箱が検査を受け、担当者(係官)から、「箱に入っている人物は誰ですか?」と問われた場合についても、米国特殊部隊の経歴を持つ協力者は、事前にシミュレーションしていた可能性が高い。
 その場合、「悪うございました」と言うはずはなく、逆に、次のような手を使ったであろう。まず、1000万円ほどの札束を握らせ、「無事にパスさせてくれれば、1000万円を君にあげよう」ともちかけていたのではないだろうか。
 担当者が取引を拒んだ場合、スパイ映画に出てくるような薬剤を担当者に噴霧して気絶させ、その間にジェット機に搭乗したかもしれない。あるいは、最悪、担当者を殺害してまで目的を遂行していた可能性も全くないとは言えない。
 いずれにしても、出入国の審査をする場所には、人の動線に沿って複数の高性能防犯カメラを設置し、何が起こったかを正確に記録・保存する必要がある。また、拳銃を所持した警察官の配備も急務であろう。
 今回の事件には、次のような重要な点がある。
 第1に、新幹線で移動したという点である。12月29日午後の新幹線は、帰省客で相当に混んでいたはずであり、グリーン車の座席指定切符は、1か月前には入手するよう手配していた可能性が高い。そうすると、遅くとも昨年の11月下旬頃までには、逃走計画が完成していたものと考えられる。なお、グリーン車に乗った場合に、ゴーンは、サングラスをかけ、帽子をかぶり、顔に大きなマスクをしていたはずである。その状態で静かに自分の座席に座っていれば、ゴーンであることが第三者によって見破られる可能性はない。
 第2に、プライベートジェット機を利用するVIP客に対する出入国管理者の認識がいかにも甘かった。VIP客であるから違法な真似などするはずがない、だから緩めの審査でも構わないという考え方が、今回の悪事の成功を手助けした。ちょうど、津波は来ないと勝手に思い込んで原発の防波堤に万全の工事を行わなかった東電の幹部と同じである。まさに、2011年の東日本大震災と同じということである。
 今後は、プライベートジェット機についても、通常、我々庶民が外国に旅行するときと同様の厳格な検査・審査を行うべきである。
 今回、ゴーンが入っていた大きな箱についてX線検査をしなかったという事実は、全く信じがたいミスである。仮に、今回と同様に、大きな箱に国宝級の仏像が入れられて、外国に密輸されても全く分からないということではないか。出入国管理庁の役人の管理の杜撰さは糾弾されなければならない。
 野党も、「桜を見る会」などについて、くだらない追及するなどして国費を浪費するのではなく、来るべき国会においては、ゴーンの問題を積極的に取り上げて政府の見解をただすべきである。仮にそのような重要案件について何らの追及をしない野党であれば、いくら野党の指導者が「自民党に代わって野党が政権を取る」などと叫んでも、「能力も覚悟も何もないのに、偉そうなことを言うな。国民はそれほどバカではない。」という冷ややかな声が返ってくるだけである。
 なお、1月7日付けの岐阜新聞27面に気になる記事が出ていた。それは、昨年12月29日のゴーンの逃亡実行日の2~3か月前に、つまり2019年の9月~10月頃に、ゴーンの娘が、東京都港区内で、その親友に対し「父はもうすぐ自由の身になる」と話したという。その友人は、ゴーンの娘に対し「判決が出るまでまだ時間がかかるのではないか」と言っても、娘は「すぐに自由になる」と繰り返したという。娘は、その頃から、うすうすゴーンから逃亡計画を聞かされていた可能性がある。
 仮にこの話が事実だとした場合、2019年の9月~10月頃には、年末のゴーン逃亡に向けて計画が着々と進んでいたことになる。まさに、「地獄の沙汰も金次第」ということであろう。今後は、同様の事態の発生を徹底して防止する必要があると考える。

 

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