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弁護士日記

弁護士日記

若手の活躍に期待する

2020年03月31日

 令和の時代も2年目に入った。今後、どのような時代が来るかは、誰にも分からない。
 街の書店に行くと、いろいろな分野の専門家又は著名人が、自分の著作によっていろいろな提言なり歴史分析を行っている。毎週のように、次々と新しい本が出てくる。これらの本に全部眼を通したとしても、我々平均的な国民にとっては、将来どのような時代になるかを予測することは困難であろう。
 しかし、確実に言えることがある。それは、次の時代を担うのは、現在の年寄りではなく、若者だということである。にもかかわらず、そのことを認めようとしたくない老人(年寄り)の一団が存在する。
 一口に年寄りといっても、既に現役を引退して、静かに日々の生活を送っているグループがある。これらの人々は、これまで日本の社会を担って活躍してきた人々であり、「ご苦労様でした」と言うほかない。
 他方、若手にバトンを渡して引退するのが相当と思われる年齢に達したにもかかわらず、未だに権力を誇示し、あるいは存在感を示したいと考えている年寄りグループが存在する。これらのグループに共通する点は、いわゆる社会的成功者だということである。
 例えば、中央省庁の高級官僚にまで上り詰め、その後、民間に天下っている連中がこれに当たる。地方で言えば、有力企業の元社長・現会長がこれに当たるであろう。
 確かにこれらの人々は、壮年期にはそれなりの活躍をして、行政機関なり民間企業を引っ張ってきたという功績がある。間違いなく功労者である。しかし、「麒麟も老いては駑馬に劣る」という格言もある。いくら能力がある人物であっても、年をとると平均人(普通の人)にも及ばなくなるということも真実である。
 ところが、本人は「まだまだ若い者には負けん」という意気込みであるから、周囲が迷惑する。あるいは、本人は、いつまでたっても一線で活躍したいと考えているから、周囲の忠告を聞こうとしない。また、社長、会長を経て、「最高顧問」などという奇妙な肩書を付けて意気軒高な御仁もおられる。
 しかし、いつまでたっても後進に道を譲ろうとしない老人の姿は、実に見苦しい。老醜というほかない。むしろ我執の塊と言うべきであろうか。
 動物界を見ても、例えば、集団で生活をするオオカミには、必ず強い雄のリーダーが存在し、群れを統率し、群れが生き延びるために力を発揮している。ところが、強い雄のオオカミが歳をとって思うように動けなくなると、自分からリーダーの地位を去り、若手のオオカミにリーダーの地位を譲るという話を耳にしたことがある。これは、いわば、自然の摂理というべきものであろう。
 人間界を見ても、サラリーマンの社会には、昔から「定年制度」があり、順送りに組織の新陳代謝を図ってきた。もし、定年制度がなかったら、判断能力を欠く年寄りが、いつまでも会社の幹部を独占したままの状態になる。しかし、そのような会社は、潰れるほかない。
 やはり、国家なり社会が発展してゆくためには、若者に対し活躍の場を多く与える必要がある。一般の若者を、能力のある人材に育成するために、政府は、より多くの予算配分を行う必要がある。
 半面、老人は、余り声高に権利主張をするべきではなく、老後を、つつましく普通に送ることができる最低限の経済的余裕さえあれば十分と考えるべきである。換言すれば、「将来の日本のために、極力我慢せよ」ということである。
 ところで、弁護士の業界は自由業であるから、本人がまだ活躍できると判断すれば、現役を続ければよいだけの話である。ただ、普通の自由業と異なって、弁護士業は、各地の弁護士会に登録しないと仕事を行えない。また、弁護士会に対し、毎月4万数千円の会費を納める義務がある(なお、会費の金額は各地の弁護士会で異なる。)。いわゆる強制加入という制度になっている。
 私の場合、愛知県弁護士会で30年近くお世話になった。岐阜県弁護士会には、これまで1年間お世話になっている。一定の状態が長期間にわたって継続すると、「井の中の蛙大海を知らず」という状況に陥りがちである。その意味で、弁護士会を移ったことで、いろいろなことが発見できた。
 弁護士会には、普通は「会報」というものがあり、会報には毎月いろいろな報告などが掲載されている。愛知県と岐阜県を比較すると、前者は月刊誌、後者は同人誌という感じがする。財政力が桁違いに違うから、当然の結果であろう。
 残念なことに、後者の会報には、若手の投稿が少ないように感じる。より正確に言えば、ベテラン弁護士の経験談とか回顧談がかなりの比重を占めているような気がする。そのような記事はそれなりの重みがあるようにも見えるが、他方、新鮮味は全くない。個人的には、このような記事には興味がない。
 しばしば、「老人は過去を語り、若者は未来を語る」と言われる。将来を担う若手弁護士に対し、より多くの発信機会を与えてやって欲しいものである。
 
 
 

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