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弁護士日記

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学術会議の6人の候補者任命拒否は当然だ

2020年10月02日

 本日の産経新聞は、政府機関である日本学術会議が推薦した新会員候補のうち、6人の任命を見送ったと報じた。
 これに対し、学問の自由の侵害であるなどという間違った意見が多く寄せられ、野党も任命をされなかった候補者のうち数名と会って意見を聴いたという。また、日本学術会議の梶田会長は、政府に対し、任命拒否の理由を説明するように求めたという。
 これらの意見は、いずれも間違ったものであって受け入れる余地はない。以下、理由を示す。
(1) 法的根拠の有無について。日本学術会議法によれば、7条2項で、新会員は推薦に基づいて内閣総理大臣が任命すると定められている。推薦の具体的方法は、同法14条がこれを定める。日本学術会議が候補者を選考し、内閣総理大臣に推薦すると規定する。
 この条文を素直に読む以上、誰を新会員にするか、つまり任命するかの決定権限があるのは、内閣総理大臣であることが明白である。よって、今回、6人の候補者について菅総理大臣が任命を拒否したことは適法である。任命拒否を受けた立命館大学の松宮という刑法学者は、「この政権、とんでもないところに手を出してきた」という品位を欠く表現をとって政府を非難したが、心得違いも甚だしい。
 私に言わせれば、このようなおかしな認識を示す人物だから、政府も任命を拒否したのであろう(もちろん任命拒否の主たる理由は、この人物の過去の国会における発言にあると考えられる)。そう考えると合点がいく。学術会議の会員に任命されるということは、政府から手当を支給される身分に就くということである(法7条7項。特別職の国家公務員)。手当の原資は、もちろん国家の予算であり、国民が納めた税金である。
 すると、誰を任命したかについては、任命権者である日本政府が責任を負うことになる。責任を負う立場にある以上、日本政府において「不適格」と判断した人物を日本学術会議の会員に任命することは許されないのである。
(2) 日本学術会議の梶田会長は、任命拒否の理由を明らかにするよう求めているが、これは常識に照らしても無理な話である。
 例えば、国家公務員の幹部を登用する国家試験の面接試験において、普通はあり得ないような不当な発言をした受験生がいたとする。当然、不合格になる。この場合、同人が、「なぜオレは不合格になったのだ」と異議を唱え、仮に採用担当の行政機関に対し、理由を示すよう求めても、開示はされない。まさか「異常な人格であるので不合格とする」などと回答することはできないのである。
 仮に今後、松宮氏ほかの学者が任命を拒否された理由を政府に質問することになった場合、回答を求める方がおかしいという以外にない。裁判に訴えても、ほぼ100パーセント敗訴すると予想する。
(3) 憲法23条で保障された学問の自由と、今回の件は全く関連性がない。なぜなら、学問の自由とは、ある人物が、日本学術会議の会員になることまで保障したものではないからである。
 松宮氏は、別に日本学術会議の会員にならなくても、今後も大学において自由に刑法学を究めることができる立場にあり、一部の野党のいう「学問の自由」を侵害するという非難は、的外れというほかない。一般論として、日本学術会議のメンバーに任命されることは、学者にとって名誉なことであると思われるが、任命されないことで何らかの不利益が生ずると言いたいのであろうか?よく分からない主張である。
 今回、野党の主張は、「批判のための批判」にすぎないと考えるほかない。今回の一件に対する野党の反応は、取るに足らない「モリカケ問題」でワーワー騒いでいた当時と同じであり、その低レベルさは何ら変わっていない。

日時:18:20|この記事のページ

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