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弁護士日記

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古田知事に関する新聞記事に異議あり

2020年12月23日

 私は、新聞に目を通すことを日課としている。新聞には、世の中に起こった事件や事実を正確に報道するという基本的な役割がある。仮にこの基本を忘れて、裏付けのない記事を掲載した場合、新聞報道の在り方が問題となることがある。かつて慰安婦報道をめぐる朝日新聞の姿勢が問われたことがあるが、それが悪い見本の一例である。
 さて、来年の1月に岐阜県知事選挙がある。今のところ、現職である古田知事とその有力対抗馬である江崎氏の一騎打ちとなるとみられる。岐阜新聞では、連日のごとくこれに関連した記事を一面に掲載している。
 まず、選挙情勢については、岐阜1区から岐阜4区までの双方の陣営を支持する議員の名前などが掲載されてきた。これを見る限り、つまり、頭数だけを勘定すれば、現職の方が圧倒的優勢を保っているように見える。しかし、投票するのは、議員や支援団体の有権者だけではない。多くの県民が、古田知事のことをどう思っているかは、分かったものではない。戦国時代を見ても、数の上では圧倒的優勢にあった武将が、少数の軍勢しか持たない敵方の武将にクビを刎ねられて討ち死にしている例もある。
 また、12月21日には、多選についての記事が出ている。岐阜新聞の記事の内容を要約すると、「多選自体が悪いわけではない」という意見のようである。しかし、「権力は腐敗する」という言葉もある(英国のアクトン卿の言葉)。一人の権力者が長期間にわたって権力を担っている場合に、権力の保持期間が長くなればなるほど、弊害が起きる可能性が高まるのである。古田知事が目指す4期16年を超える、5期20年は、余りにも長すぎる。
 岐阜新聞は、安倍晋三氏が総理大臣の地位にあったときは、さかんに「安倍一強はけしからん」などという論調の記事を何回も掲載していた。それが、古田知事の話になると、これまでの16年間という期間には特に問題がないという姿勢に変化しているように見える。これは、一体どういうことであろうか。
 さて、本日付け(2020年12月23日)の岐阜新聞の一面には、「検証」という見出しの下、県幹部の話が掲載されていた。ある県幹部による、古田知事は「素早く手堅い」という評価を掲載していたが、これには驚いた。一体、どこが素早く手堅いのか?
 かつて豚コレラ(現在では豚熱と呼ぶ)が岐阜県で最初に発見された時、私の記憶では、岐阜県の対策は後手後手に回り、農水省の幹部からも強い叱責を受けたいう記事を読んだ記憶があるからである(新聞のバックナンバーを確認すれば分かる)。また、同じく岐阜新聞の記事によれば、ある県幹部は「豚熱の対策は完璧だったのでは」ないかと発言したという。しかし、これには呆れた。
 県の幹部は、職務上は古田知事の部下であり、古田知事の命令に従わねばならない身分にあるため、古田知事の立場を危うくするような発言をすることができないことは、承知している。古田知事から県の幹部に登用された恩義もあり、批判ができないのは当然である。
 しかし、特別目立ったことをやっていない古田県政について、あたかも茶坊主のごとく、確たる根拠もないまま自画自賛する態度は、普通の一般県民から見ると、大変な違和感を覚える。まさに、世界の独裁国家(例えば、北朝鮮)において、市民や官僚が、その国の独裁者を手放しで称える姿に似ているためである。まさに「権力は腐敗する」という指摘通りのことが起こっている。
 また、岐阜新聞の記事は、県の幹部が語ったという内容で、「本人の性格だと思うが、そもそも目立とうとして仕事をしていないだけなのでは」とある。これも県民をバカにした言い方である。県知事の仕事をするに当たって、目立とうとか目立たないようにしようなどと考えて行動しているおかしな知事は、現実にはほとんどいないのではないのか。ところが、言い訳めいたことを県の幹部が発言していることからも、古田知事の「賞味期限」は既に経過していると考えるのが妥当であろう。
 思うに、県知事たる者、誠心誠意、県民のために働こうという意思があれば、自ずと、トップとして県民に対しいろいいろと積極的に発信しようという気が起きてくるのではなかろうか。ところが、古田知事にはそのような姿勢ないし見識はなく、あたかも黒子に徹することが求められる霞が関の高級官僚のスタイルを長年にわたって継承しているように思える。
 本日付けの岐阜新聞は、県幹部の発言を引用するという形で、古田知事を称賛する記事となっている。この記事は、冒頭で述べた新聞報道の在り方に照らして考えた場合、疑問を呈さざる得ない。
 いずれにせよ、私は、支持する理由が全く見当たらない古田知事は支持しない。

日時:16:54|この記事のページ

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