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弁護士日記

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見識が疑われる社説

2021年06月15日

 これまでも述べているとおり、私は、二つの新聞を購読している。産経新聞と岐阜新聞である。前者は、基本的に日本の国益を尊重する立場に立っている。半面、地元岐阜県関係のニュースは皆無であり、この新聞だけでは不十分である。後者は、地元の細々としたニュースも報道しており、現状を知るのには都合がよい。半面、国家的見地からみると、近隣国(中国・韓国)の利害に配慮した論調が目立つように感じる。後者の社説は、聞くところによれば共同通信社の記者が書いているという。私は、共同通信社の記者が書いた記事はほとんど信用していない。
 今回、英国でサミットが開催された。本日の上記二社の社説を比較してみた。産経新聞の方の見出しは、「中国抑止への行動の時だ 民主主義陣営の結束示した」とある。かたや岐阜新聞の社説の見出しは、「中国との対話の道を探れ」とある。
 これらの見出しのうち、前者の方は、ごく当たり前の主張であり、素直に納得できる。
 半面、後者の方は、中国国営の新聞社の日本支局が出した社説ではないか、と勘違いするくらいの違和感がある。この社説のどこが間違っているのか、ポイントを探した。すると、次の点において間違いがあることが分かった(なお、ここでいう「間違い」とは私見に立った場合の間違いという評価であり、あくまで主観的なものである。)。
 第1に、社説は三段目で、「対立ではなく、対話が必要だ。中国を巻き込んだ対話の枠組みをどう構築するのかを真剣に検討すべきだ」と主張する。「対話」とは国語辞典の定義によれば、「向かって話をすること」とある。これ以上の説明は辞書には書かれていないが、おそらく対話とは、事実を踏まえ、相手の立場も尊重しつつ、冷静に相互の主張を行うという意味であろう。
 しかし、対話が成立するのは、双方に共通の価値観が存在する場合である。例えば、各国において、法の支配、基本的人権の尊重、民主主義の共通基盤を持っていることなどを指す。いわゆる西欧民主主義国家が共通して備える理念である。具体的にいえば、対話によって相手の考え方を変えることが可能な場合である。
 しかし、中国という専制独裁国家は、憲法の上に中国共産党という組織が位置しており、司法、立法、行政の三権は、中国共産党の命令・支配下にある。中国共産党のいうことが唯一の正当性を持つ。この点は議論の余地がない。事実であろうとなかろうと共産党のいうことが正しいとされる。したがって、このような、まともでない国との冷静な対話など、そもそも最初から想定できないのである。この点は、尖閣諸島周辺の日本国の領海に中国の公船が恒常的に侵入を繰り返している現状を見れば明らかである(聞く耳持たぬという態度である。)。
 思えば、かつて欧州で第二次世界大戦を起こしたドイツのヒットラーとの対話という概念は、そもそも欧州の民主主義国には存在しえなかった。よって、岐阜新聞社説のいう「対話」は実現不可能な空想上の話という以外にない。岐阜県民は、共同通信社の記者が考えているほど愚かではない。
 第2に、社説は四段目で、「東・南シナ海での衝突は、直ちに日本が巻き込まれる有事に発展する」と主張する。この主張も現実を根本的に間違えて認識している。有事を引き起こそうとしているのは、もっぱら中国の方だからである。中国が、国際法と国際秩序を遵守して行動しておれば、最初から東・南シナ海で衝突は起きないし、結果、有事に日本が巻き込まれることもないのである。ところが、膨張主義を掲げる中国は、東シナ海、南シナ海への進出を掲げて、国際法を無視した上で、他国の島を強奪し、そこに軍事基地を建設している。
 今、中国が狙っているのは台湾である。台湾は、中国とは別個の独立した国であり、中国が台湾に侵攻しようとしていることは、かつてヒットラーが率いるドイツ国軍が中欧諸国に侵攻しようとしたことと同じである。その場合、日本は、基本的価値観を共有する米国、英国、仏国、オーストラリアなどと共同で、台湾に侵略を仕掛けようとする中国を封じ込める必要がある。
 万が一、台湾が中国の支配下に置かれた場合、中東から大型タンカーで運ばれてくる石油の輸送が妨害される可能性が高い。必要な石油が日本に入ってこない状態になれば、国民生活は、コロナ禍による苦労をはるかに超える混乱に陥ることになろう。したがって、台湾を中国の侵略から守ることは、日本にとっても非常に重要なのである。
 さらにいえば、「日本が巻き込まれる」という表現はおかしい。巻き込まれるのではなく、中国は、侵攻予定地として台湾と同様に日本も標的にしようと計画しているとみるのが正しいからである。ここでは、他人事ではなく、まさに、日本国自身の安全保障が問われているのである。台湾防衛=日本防衛ということである。
 以上をまとめる。サミットG7諸国は、上記の法の支配、基本的人権の尊重、民主主義の理念を共有している。台湾も同様である。これに対し、中国という国は、これらの理念を持たず、中国共産党の指導の下で国家の運営が行われている独裁国である。
 日本を含めた国々と、中国共産党との共存共栄はあり得ず、いずれは排除する以外にないと考える(日本に手出しできないように屈服させるほかないのである。)。それに備え、我が国は、軍事力と経済力を一段と向上させる必要がある。また、今後、あらゆる場面における中国との交流(または貿易)をなくする方向で努力する必要がある。例えば、中国共産党のコントロール下にある中国人留学生によってわが国の先端技術が盗まれないよう、日本の大学理工学系統の学部については、中国人留学生の受け入れを厳しく制限する必要がある。これらの作業が政治家の一番重要な仕事である。
 この点、立憲民主党・日本共産党などの左翼野党は、その自覚も政権担当能力も全くなく、少なくとも今後100年間は、国家運営に采配を振るうことができない野党暮らし(冷や飯食い)を続けてもらいたいものである。
 

 

日時:11:28|この記事のページ

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