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弁護士日記

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エドワード・ルトワック著「ラストエンペラー習近平」を読んで

2022年07月29日

 約1年前に買った本である「ラストエンペラー習近平」を読んだ。著者は、米戦略問題研究所の上級顧問であるエドワード・ルトワック氏である。ルトワック氏は、1942年、東欧のルーマニアで生まれたという(80歳)。その後、ロンドン大学を経て、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で博士号を取得した。国際的な安全保障問題に関する著名な専門家である。
 私は、これまで氏が著した何冊かの本を読んだことがあるが、さすが年季の入った専門家であり、その分析には新鮮さがあり、なるほどと思ったことが何回もあった。この点、左翼(リベラル)系の新聞社の社説など氏の足元にも及ばない。理由は簡単である。事実を公平に分析・評価するのではなく、最初に結論ありき、の姿勢ですべてを論じているからである。見方が偏っているため、読んでも得るところがない。結果、左翼系新聞の社説を読むことは時間と労力の無駄につながる。記者という職業から来る「取材」という名の「聞きかじり」の手法およびそれを基にした深みのない知識をもって社説を書いているのであるから、内容に説得力がないことは当然である。。
 さて、この本の中で、ルトワック氏は、中国の習近平について観察し、その行動を分析している。まず、目を引いた点は、習近平は、毛沢東以来の「皇帝」になろうとしているという指摘である。具体的にいえば、習近平は、2018年3月に憲法を改正し、国家主席の任期を撤廃した。つまり、自分が死ぬまで中国の国家主席つまりトップであることが保証されたということである。独裁者というものは、古今東西を問わず、権力にしがみつこうとする習性があるようである。
 その習近平に率いられた中国であるが、海洋進出を活発化させていることは周知のとおりである。ここで、ルトワック氏は、意外にも「戦略のロジックでみると、中国はますます不安定さを増し、国際的にはむしろ弱くなっている」と分析する(18頁)。一見すると、「それは違うのではないのか?」と考えてしまう。
 しかし、ルトワック氏は、次のように分析する。そもそも一国の外交方針というものは、頻繁に変わるものではなく、せいぜい20年から30年に一度程度である。ところが、中国は、あたかもアフリカの小さな独裁国のように頻繁に変化させていると指摘する。そのような不安定さを作り出す原因は、中国の政治形態から来る。西欧民主主義国家と違い、国民から選挙で選ばれた議員が、国会(議会)によるオープンな議論を経て意思決定するのではなく、共産党の政治局常務委員会の7人(チャイナ・セブン)による決定で決まってしまうからである。そのため、愚かな決定がされ、また、それを誰も批判することができないため、ミスが修正されない可能性を指摘する。
 確かに、これまで中国は、長い期間にわたって国力を高めることに重点を置いてきた。そのため、技術力を先進国から盗む必要があり、目立たないように注意深く行動してきた。ところが、習近平がトップになってからは、空母を何隻も保有しようとし、日本の尖閣諸島への挑発的行為をエスカレートさせ、香港の自治を破壊し、新彊地域などでウイグル族を虐殺し、また、外交面においても中国の主張を声高に発するようになっている。
 ここで、ルトワック氏は、大国が拡大することの効果について言及する。それは「帝国が拡大すれば、必ず敵に恨まれることになる。まだ、攻められていない隣国も警戒を強める。全世界を支配しない限り、拡大する帝国は、確実に周囲からの抵抗にあうのだ」という見方である(180頁)。
 このままいけば、独裁者習近平が率いる中国は、近い将来、とんでもない暴挙に出る可能性がある。台湾への侵略である。その際、日本の沖縄県も間違いなく戦争に巻き込まれるであろう。日本人は、共産党の独裁国家に占領されないようにするため、侵略者中国に対する防衛戦争を遂行し、勝利するほかに道はない。
 7月26日の岐阜新聞を見ていたら、「岐阜市と杭州市 碑文60年式典」とあった。記事を読むと、7月25日に、中国の駐日公使らが岐阜市に来て、柴橋市長らと共に記念植樹をしたようである。戦争をしないこと自体は好ましいことであるが、駐日公使などの一行は、あくまで独裁国家中国共産党の党員(工作員)である。このような中国共産党の手足となって働く連中と会って話をすることは、知らぬ間に中国側に取り込まれる危険がある(中国の協力者に仕立て上げられる危険がある。)。岐阜市が中国共産党のイメージアップのための宣伝に利用されているだけである。税金の無駄使いといっても過言ではない。日中友好などという騙し文句に惑わされてはいけない。岐阜市の柴橋市長は、一刻も早くこのような愚かな交流を廃止すべきである。
 共産党が支配する全体主義国である中国は、そもそも共存共栄できる国ではなく、間違いなく敵である。日本の真の国益を守るためには、防衛費を直ちに倍増し、常に中国の嫌がることをやり続けることが肝要と考える。
(追記)
 本年8月3日、アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したニュースが報道された。これに対し、共産党の独裁国家である中国は軍事力の行使を辞さない構えを見せ、アメリカを威嚇した。アメリカ人がどこを訪問しようと、当人の自由であり、これに中国が文句をつける権利などない。にもかかわらず、軍事力による威嚇をしているのである。日本は、このような好戦的で狂気の国とは共存できないのである。最終的には政権を潰す以外にない。「独裁国家中国は必ず滅亡する」と予言しておく。

日時:18:30|この記事のページ

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