本年10月8日・9日と、恒例の農地法セミナーの講師を東京で行った。今回の参加者は、全部で38名であった。関東・東北を中心に市町村の農業委員会の職員の方々が参加された。4~5年前と比較すると、参加される職員のうち熱心な方の割合が年々高まってきているように感じる。熱心に受講されているか否かは、講師の方から見れば一目瞭然である。熱心に受講している方は、大半が、ノートをとっている。他方、熱心でない方は、ほとんど例外なくノートをとらない。
セミナーの初日が終わってから、昔からの友人である弁護士と会食をした。その友人の話によると、東京でも弁護士が増えて競争が大変である、ということだった。かつて弁護士の増員を声高に主張した人々は、現状をどう考えているのであろうか?弁護士の資格者を短期間に極端に増やした場合、供給過多となって大変なことになることは、経済学の初歩的知識があれば、容易に分かることであった。
さて、私は、2日間に及ぶセミナーの講師のお役目を終えて、9日は、栃木県の宇都宮に移動した。30年ぶりに日光東照宮を見るためである。10月10日、私は30年ぶりに日光東照宮を見た。以前も観光客が多かったが、今は桁違いの状態である。陽明門を見ようと期待して境内に入ったが、たまたま修理中であり、陽明門を自分の眼で見ることはできなかった。
東照宮の有名な建物に入ろうとすると、昔は、自由に参拝できたが、今は、通勤ラッシュ並みの混雑であり、なかなか前に進めない。東照宮の方も、係員が、集団状態となった観光客を適宜さばいて説明を行っている。その観光客に対する説明が終わると、次の観光客のかたまりが、また係員の説明を受けるという方法である。
あたかも工場に設置されたオートメーションの機械が、ベルトコンベアー上で、次々と商品を生産してゆく様に近い。したがって、われわれは、入口で拝観料を払った上でラインの上を運ばれ、出口に至るという「商品」という位置付けとなる。まさに商業主義の極致とも言うべき状態であった。したがって、深い感銘を覚える余裕はなかった。こうなると、なまじ世界遺産などに登録されないほうが良かったとも言い得る。皆さんはどうお考えであろうか。
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