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弁護士日記

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沖縄基地問題を考える

2010年01月26日

 沖縄県名護市の辺野古にアメリカ軍海兵隊の普天間飛行場を移す問題について、私は自分なりに一つの回答を持っている。最初に結論を言うと、私は、海兵隊の基地を辺野古に移すことには反対である。また、本年5月の時点で、政府は、辺野古に移転するという案を断念しているであろうと予想する。その理由を、以下のとおりいくつかあげてみる。
 第1に、従来の移転先である辺野古の海は、自然が豊かなきれいな海であり、その美しい海をコンクリートで埋め立てることには非常な抵抗感を覚えるということである。ここに基地を造成することは、まさに貴重な自然を破壊する行為以外の何物でもない。それには反対せざるを得ない。
 第2に、本年1月24日の名護市長選挙において、辺野古に基地を移転することに反対する稲嶺氏が市長に当選したことも無視できない。反対派の市長が現実に誕生したにもかかわらず、その反対派市長および多数派市民の反対の声を無視して基地を移転することは、出来るはずがない無謀な話である。
 第3に、仮に、辺野古に移転が決定した場合、いったん出来てしまった基地は、今後少なくとも何十年間にわたって運用されることになろう。ということは、基地が辺野古に長期間固定してしまう状況がほぼ固まることを意味する。そのようなことは好ましくない。
 第4に、これが一番重要な論点であるが、そもそもアメリカ軍基地を我が国の国内に何か所も置いておく必要が本当にあるのかという根本的疑問である。無駄な基地を整理統合して、その数を今よりも大幅に縮小することがなぜ出来ないのかという疑念である(ところが、自民党政府は、そのような交渉を長年にわたって行ってこなかった。これは重大な怠慢というほかない。霞が関の官僚と財界の声しかまともに聴かない自民党政府であったから、ある意味で致し方ないことであった。)。
 そもそも軍事基地というものは、なぜあるのか?それは、万が一、敵国からの侵略があった場合に、迅速にこれに対応して我が国の独立を守ることにある。これが模範解答である。では、ここでいう「敵国」とは具体的にどこの国を指すのか?まさか、アメリカではあるまい。韓国でもない。台湾ではない。フイリピンも考え難い。そうすると、仮想敵国は、当面のところ、中国、北朝鮮およびロシアという答に落ち着かざるを得ない(いずれも権力者の力が強い国家である。)。
 これら3国のうちで、最も危険な国は中国ではないか。なぜなら、国家体制が共産党の支配する自由のない国であることが一番大きな理由である。さらに、近年目覚ましい経済発展を成し遂げ、しかも国家の軍事予算は過去20年以上にわたり一貫して増加しているという事実もある。もちろん、日本としては、中国をことさら敵視する必要はなく、平和的な友好関係が継続することが一番望ましいことはいうまでもない。
 しかし、将来、仮に、中国と日本の国益が完全に相反した場合、毒餃子事件における過去の中国政府の対応からも分かるとおり、中国は、説明の付かない行動に出る危険がある。つまり、軍事力に物を言わせて日本に対し圧力をかけてくる可能性が高い。その場合、中国からの侵略行為を未然に防止し、かつ現実の侵略行為があった場合には、これを阻止し、有効な反撃を加える必要がある。そのためには、日頃から防衛力を整備しておき、万が一の事態に備える必要があるのである(「平和、平和」と唱えておれば平和が確保されると考えるのは、空想の世界の話である。)。
 ここで最初の問に戻る。沖縄県を含む我が国の領土内に、アメリカ軍の基地を置くことを原則として認めるとしても、主に中国からの侵略に備えるために、多くのアメリカ軍基地を沖縄県に置かなければならない必然性はない。まして攻撃ヘリコプター部隊を中心戦力とする海兵隊の航空基地を、新たに辺野古に建設する必要性など全くない(たかがヘリコプターでは、侵略者の弾道ミサイルや戦闘爆撃機を使った攻撃を食い止めることは出来ない。)。そういう基本的な問題点を突き詰めることなく、テレビや新聞に見られる、表面的で軽薄な論調は、全く無意味である。
 また、新聞等は、アメリカ政府が、「日米合意に従って、辺野古移転以外の案はあり得ないと言っている」という報道を、もっともらしく行う。しかし、アメリカ政府がそのような主張をすることは当たり前のことである。ただ、アメリカ政府が、日米安全保障条約が今後無くなるという事態を望んでいないことは、100パーセント間違いない。
 そうであれば、日本政府としては、普天間飛行場の国外移転をあくまで求めて、交渉を粘り強く続ければよいのである(現にアメリカ政府は、危険な独裁国家である北朝鮮とすら平和的な交渉を行う姿勢をとっているではないか。)。その過程で、仮にアメリカ軍のグアム島移転計画が白紙に戻る事態が生じてもやむを得ない。最終的な大目標が、アメリカ軍の基地の数を我が国の防衛にとって必要最小限のものにまで縮小することにあるのだから。
 私としては、鳩山首相および民主党政府の努力に期待する以外にない。

日時:16:47|この記事のページ

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