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弁護士日記

弁護士日記

準備書面の提出時期について

2016年08月10日

 本年3月22日付けの弁護士日記でも触れたことであるが、準備書面の早期提出を怠る弁護士が依然として存在することは、誠に遺憾である。
 A弁護士が代理人となって名古屋地裁で進行中の訴訟が本日8月10日にあった。相手方である被告の準備書面の提出時期は、担当裁判官の指示によって、今月5日(金)までと指定された。
 ところが、A弁護士からは、期限である8月5日になっても一向に準備書面が送られてこない。そのため、私は、「A弁護士は約束を忘れたな。仕方がない御仁だ」と思い、翌週である8月8日(月)に事務所に出た。すると、A弁護士からのFAXが届いていた。
 FAXの送信時刻を確認すると、8月5日(金)の夜10時を過ぎていることが分かった。そこで、私は、本日、裁判所の法廷で、準備書面の提出遅れについてA弁護士に問いただすと、A弁護士の口から、信じ難い言葉が出た。
 その言葉とは、「期限は8月5日であり、夜10時過ぎにFAXで送信したことも間違いない。夜10時過ぎは、8月5日に含まれるから、8月5日までに準備書面を提出するという約束にはいささかも反していない」というものであった。
 確かに、民法に従って考えれば、8月5日の夜12時00分までは、8月5日に含まれる。したがって、A弁護士の行動は、8月5日までに準備書面を提出するという約定には形式的には反していないということになる。
 しかし、このような理屈は、いわゆる形式論ないし屁理屈に属する。そう断定できる理由は、大きく2点ある。
 第1に、準備書面を裁判期日よりも前に提出する目的は、準備書面の内容を裁判所及び相手方の代理人に理解してもらうためである。理解してもらうという目的を達するためには、相手方の代理人が読める時間帯に送信する必要がある。しかし、夜の10時過ぎには、大方の常識に照らせば、ほとんどの弁護士は事務所を出て帰宅してしまっている蓋然性が極めて高い。そうすると、結果として、相手方の弁護士は、翌週の月曜日に事務所に来て初めて準備書面の内容を見ることになる。これは、実質的に、期限を経過した日に準備書面が出たと評価せざるを得ないのである。
 第2に、A弁護士を除く大半の弁護士は、期限とされた日の午後の内には、準備書面を、私を含む相手方に送信している。これが普通の姿なのである。遅くとも、執務時間内に属すると考えられる午後6時頃までには送信されている。したがって、その場合は、準備書面を送られた弁護士としても、相手方が送ってきた準備書面の内容を、期限とされた日のうちに確認し、場合によっては、その日のうちに、自分の依頼者に対し先方が送信してきた準備書面をコピーして郵送しておくこともできるのである。
 この問題は、要するに、「準備書面を8月5日までに提出する」という約束の合理的解釈に関わる問題である。
 弁護士業務に関する規制は、日弁連が定めた「職務基本規程」によって細かく決められており、第5条では、「弁護士は、真実を尊重し、信義に従い、誠実かつ公正に職務を行うものとする」とされている。果たして、A弁護士の言動は、これにいささかも抵触しないのであろうか?私としては、疑問が残るところである。

日時:16:06|この記事のページ

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