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弁護士日記

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兼原信克著「歴史の教訓」を読んで

2020年07月24日

 武漢ウイルス(いわゆる「新型コロナウイルス」)が勢いを再び増している。今は2020年7月下旬であるが、テレビの報道などを見ていても、専門家によって発言の内容が全く違う。一体、誰の発言を信用したらよいのか?という気分になる。 
 本日、比較的よく見る番組である「ひるおび」で、政策研究大学院大学の土谷氏が、このまま政府が強力な対策を打たなければ、東京都の新規感染者は、本年7月末には500人、8月末には3300人を超える可能性があるとの見解を示している。ところが、本日の朝の某局の番組では、某大学のT氏が、新型コロナはインフルエンザよりも毒性が低い、だから余り心配しなくてよい、という見解を述べていた。
 双方の意見を聴いて、私は、前者つまり土谷氏の見解に軍配を上げた。後者の人物の意見は、ひところ流行った「患者よガンと闘うな」という立場(ガン放置療法)を唱えた元K大学の某医師のスタイルと似ており、無責任であり、信用できないと思った。胡散臭い人物のように思えた。
 さて、連休を利用して、兼原信克著「歴史の教訓」(新潮新書)を読んだ。なぜかと言えば、現在の世界情勢を正しく分析するためには、過去の歴史を学ぶ必要があるためである。歴史書といえば、街の本屋には、次々と新刊が並べられている。どの本を読んでも同じかといえば、それは違う。著者の信用度(信頼度)によって、主張の信用性が増したり、逆に減ったりするためである。
 今回の兼原氏は、元外務省の国際法局長や政府の国家安全保障局次長を務めたことがある人物であり、内容に信頼感がある。兼原氏は、第1章から第4章までで、主に戦前の我が国の政治について分析を行う。
 いろいろなキーワードが出てくるが、印象に残ったの点は、軍部が「統帥権の独立」という誤った憲法論を掲げ、政治と外交を壟断して暴走し、日本を破滅的な事態に追い込んだという点である(22頁、93頁)。どういうことかと言えば、統帥権つまり軍事作戦指揮権は天皇陛下の直属とされたが、その実行作業は陸軍と海軍によって分担され、内閣つまり政府のコントロールが全く効かない状態に置かれていたということである(94頁)。
 自分も高校生の頃、日本史の授業の中で、陸軍が中国大陸で満州の権益を守る目的のため、蒋介石率いる中国軍と戦闘を継続したという話を教師から聞いたが、「泥沼にはまってしまった。一体何をやっているのだ」と怪訝に思った記憶がある。また、日本は、ソ連の脅威に対抗するため、1936年にヒットラーが率いるドイツと同盟を締結したが、僅か3年後の1939年に、ドイツは、ソ連と独ソ不可侵条約を締結し、東欧地域を両国で分割することを決めた。梯子を外された格好の日本であるが(108頁)、この点も、高校生の当時の自分は、「なぜ、よりによって極端な全体主義者のヒットラーと同盟を結ぶ必要があったのか」と疑問を感じた。
 日本は、1941年8月の対日石油全面禁輸という経済的な制裁を受け、ついに、アメリカに対し戦争を仕掛ける方向に方針が傾く。いろいろと日本の外交の不手際・不合理な思考が蓄積した結果、このような破滅的な事態に至ったということである。全部、軍部の間違った判断が引き起こした悲惨な結果である。
 事実関係の詳細については、読者にこの本を読んでいただくほかないが、日本国民は、戦前の間違いを今日に生かす必要がある。統帥権の独立という概念が日本を誤らせたことは、現在の憲法9条の問題に関係してくる。憲法9条という不合理な条文を墨守しようとする勢力は、まさに戦前の軍部と同様の思考方法に陥っているというべきである。「これには一切手を触れてはいけないという」不合理な前近代的精神が、非常に類似しているのである。
 世界情勢の推移を正確に把握した上で、憲法9条を早急に改正し、必要十分な防衛力を着実に整備し、さらに法の支配と民主主義を堅持する国家と緊密に連携を図ることは、膨張主義の野望を年々明らかにしつつある全体主義国家・中国共産党による日本侵略を防止するためには、必須と言うほかない。
 マスメディアに数多く巣くう親中勢力(一例 報道番組にゲストで出ている新聞社ないし通信社の論説委員)は、口を開けば「冷静に判断をするべきである」とか「我が国が、アメリカと中国の争いを仲介して穏便に問題解決を図るべく行動すべきである」などと出来もしない無責任な意見を吐く。中国という国は、最初から、話し合いによって問題を解決する意思などないのであるから、話し合いによる解決を目指すという話自体が、実体のない蜃気楼のようなものなのである。
 また、これらの者は、「平和的解決が必要だ」などと、一見耳障りは良いが、実のところ中国の横暴な行為を黙認・追認する結果をもたらす意見を吐く者が非常に多い。発言者が明確に意識しているかしていないかは不明であるが、善良な国民を言葉巧みに欺こうとする悪い意図がうかがえる。
 これも、中国共産党の意向を受けた宣伝活動(プロパガンダ)の一種とみてよいであろう。このような国を亡ぼす結果をもたらす無責任な言動には、正しい目をもって厳しく対処する必要がある。力の信奉者である全体主義国家中国に対しては、その横暴な行動を抑制する強い軍事力と、世界に向けた正しい情報の発信力が求められる。

2020.7.25追記   
 朝、岐阜新聞の社説をみると、「緊張緩和へ冷静な対話を」という見出しが載っていた。この記事を書いているのはおそらく共同通信社の幹部記者であろう。「中国の公船は尖閣諸島や沖の鳥島周辺での動きも活発化させている。不測の事態で関係を悪化させないよう日中間でも早急に話し合いを行うよう求めたい」と書いてあった。
 この記事を読んで、一体、これを書いた人物は、尖閣諸島や沖の鳥島における中国共産党の行動をどう考えているのか?という基本的な疑問が湧いた。より具体的に言えば、この人物は、中国政府の行動について肯定しているのか、否定しているのかという質問である。この点を最初にはっきりさせる必要がある。なぜなら、質問に答えることによって、その正体が日本人(日本の利益を尊重する立場の人間)かどうかが分かってしまうからである。
 仮に前者の立場をとると公言した場合、その正体は中国共産党の出先機関と変わらないことが判明する。仮に後者の立場をとることを明らかにした場合、では、なぜ中国の横暴な行為を非難しようとしないのかという疑問が生じる。
 また、この記事がいう「不測の事態」とは何を意味するのか?そもそも中国の公船が、尖閣諸島に来なければ、この記事のいう「不測の事態」も起こらないはずである。記事のいう「不測の事態」を積極的に引き起こそうとしているのは、中国共産党の方なのである。
 仮に日本の海上保安庁の船が、100日連続で中国の領海に接近するような行為をした場合、この記者は、間違いなく「日本は緊張を高めるような危険な行為をすぐに止めるべきだ」と強く非難するはずである。ところが、中国が日本に対して、今回のような行為を行った場合は、一転して「不測の事態で関係を悪化させないよう」という、一体何が言いたいのか分からないような表現をとって事を収めようとする。これは、中国共産党の不当な行為を事実上黙認するということである。
 私から言わせれば、中国との関係悪化は大歓迎である。政治、経済、文化、学術などのあらゆる分野において、一刻も早く中国から離れるべきである。安全なナショナル・ディスタンスをとる必要がある。
 いずれにしても、記者は、今回の中国共産党のわが国に対する「侵略前夜的行動」について、当事者感覚を欠如した他人感覚で記事を書いており、無責任の批判を免れない。非常に不愉快な記事である。日本には言論の自由があるため、個人的にブログで書く分には許容されようが、何十万部の発行部数を数える新聞の社説となると、同じように扱うわけにはいかない。
批判を免れないのである。
 また、このような社説を掲載させている岐阜新聞社社長に対し、「おたくは、どこの国の人々が支払う購読料金で長年にわたって運営されている新聞社ですか?」と聞きたい。まさか「中国人です」という答えは返って来ないはずである。

 

日時:18:01|この記事のページ

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