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弁護士日記

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石平著「中国五千年の虚言史」(徳間書店)を読んで

2019年05月18日

 今回紹介するのは、石平氏の「中国五千年の虚言史」という本である。石平氏は、もともとは中国人である。1962年生まれであり、北京大学を卒業し、1995に神戸大学大学院を修了している。2007年には日本に帰化しているため、現在は日本国籍を持つ。
 石平氏は、テレビ番組などでもしばしば見たことがあり、もともとは中国人であったことから、中国人の物の考え方はよく知っているようである。
 氏によれば、中国人が嘘をつくのはごく自然の現象であり、特に、そのこと自体が悪いことであるという意識は中国人にはないという。なぜ当たり前に嘘をつくのか?その基盤は、儒教に基づく「易姓革命」という考え方にあるという。易姓革命とは、氏によれば、天命を受けた有徳の天子が王朝を作り、民を統治するが、その王朝が徳を失うと、天は新たな有徳者に天命を与え、新たな王朝を作らせる、という考え方であるという(72頁)。
 この理論によれば、前王朝は全てが否定され、新王朝が正当化される。中国の歴史は、その繰り返しであるということになる。その場合、新王朝は、自らを全面的に肯定するため、必然的に、自分にとって都合の悪い歴史は抹殺し、他方、自分にとって都合の良い歴史を捏造することになる。
 中国共産党がまさにその典型である。清朝の末期、孫文の辛亥革命が起こり、中華民国が成立するが、中国の教科書では、すぐに中国共産党が成立し、日本軍と戦ったとされている(抗日戦争)。
 しかし、日本軍が戦ったのは、蒋介石が率いる中華民国国民政府(国民党)の軍隊であった。毛沢東が指導する中国共産党の軍隊は、日本軍とはほとんど戦っていない。しかし、歴史を捻じ曲げて、あたかも中国共産党軍が主体となって抗日戦争を遂行したなどと教えられている。
 氏によれば、中国人の社会では、生活を送るに当たって、嘘、騙し、謀略、裏切り、腹黒い生き方などが当たり前のこととして広く受け入れられているという。要するに、自分さえよければ良いという考え方である。「騙される方がバカである」という考え方である。ここで、果たして、そのような分析は事実か?という疑問が生じるかもしれない。
 しかし、中国政府の行動を検証する限り、まさにそのような分析は正しいといわねばならない。その代表例が尖閣諸島の問題である。尖閣諸島が我が国の固有の領土であることは、数々の証拠上、100%疑いない。にもかかわらず、中国は、難癖をつけようとしている。ガス田の共同開発の問題についても、国家間の合意を覆して、涼しい顔をしている。
 近時、アメリカと中国の間で、関税を重くして自国の主張を相手方に飲ませようとする「貿易戦争」が生じている。テレビなどを見ていると、「アメリカや中国と我が国がどのように付き合うべきか難しい問題に直面している」などという間違ったコメントがしばしば見られる。
 このようなマスメディアの馬鹿馬鹿しいコメントを聞くと、どうしてここまで低レベルなのか?と感じる。日本のマスコミ(特に新聞社)の尊大な記者が、勝手気ままな意見を自由に述べることができるのは、我が国が、国是として西欧民主主義を尊重しているからである。
 仮に中国の影響力が強まった場合、テレビのワイドショーなどで、アホなコメンテーターが述べることが許される意見は、全部、「中国は良い国だ」という内容になってしまうのである(スポンサーに中国系企業が参入する可能性がある)。仮に気骨のある人物が反対意見を述べようものなら、テレビから消される運命が待ち受けている。
 中国という国は、中国共産党のために存在する国であり、自由とか民主主義とは無縁の独裁国家あるいは全体主義国家である。
 したがって、我が国としては、アメリカを支持する以外に選択肢はない。中国との付き合い方であるが、間違っても中国の利益にならないように慎重に行動する必要がある。ウインウインなどという甘い考え方は捨てるべきである。

 

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