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弁護士日記

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飲酒運転と危険運転致死傷罪の適用

2007年12月27日

新聞報道によれば、平成19年12月25日、名古屋高裁刑事部は、2006年に飲酒運転の末、春日井市内で4人を死亡させるなどの交通事故を起こした被告人に対し、懲役18年の言い渡しをしたとのことである。私としては、常識にかなった妥当な判決であると評価したい。この事件について、1審である名古屋地裁は、業務上過失致死傷罪の適用しか認めずに、わずか懲役6年という軽い判決を出していた。
 確かに、危険運転致死傷罪を適用するには、被告人について危険な運転をあえて行うという故意が証明される必要がある。そのため、例えば、今回の被告人のように、事故が発生した交差点に進入する手前で、「青信号だったと思いこんでいた」という弁解をした場合に、はたして故意まで認めることができるか否かが問題となる。そして、1審の名古屋地裁は、意図的に赤信号を無視したとまでは言えないとして、危険運転致死傷罪の適用を否定して、単なる業務上過失致死傷罪によって懲役6年の判決を言い渡したのである。
 しかし、被害者側から見れば、このような軽い判決は、決して納得できるものではない。また、国民の常識から考えても、横着な飲酒無謀運転の結果、4人を死なせておいて6年の懲役刑はおかしい、軽すぎるということになろう。
 そこで、名古屋高裁は、被告人が事故現場のひとつ手前の交差点の赤信号を無視していた点をとらえ、次の赤信号についても、これをことさら無視して交差点に進入したものと判断して、危険運転致死傷罪の適用を認めたのであった。
 だいたい、飲酒の上で自動車を運転すること自体がきわめて危険な行為である。いくら本人は大丈夫だと思っていても、結果として重大な死傷事故につながる危険性が確実に高まるからである。したがって、相当量を飲酒の上で、死傷事故を起こした事件については、原則的に重罰を科する必要がある(もし必要ならば、法改正を行うべきである。)。今回の場合においても、仮に名古屋高裁がしっかりとした判決を下していなかったら、被害者の無念は晴れなかったし、社会正義など無きに等しいことにもなっていた。

日時:17:10|この記事のページ

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