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弁護士日記

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損保と闘う(2)〈過失相殺について〉

2008年06月06日

 前回の「損保と闘う(1)」に引き続き、交通事故裁判のポイントについて考えてみたい。交通事故裁判における被害者は、加害者に対し、例えば、治療費とか休業損害のような損害の賠償を求めて裁判を起こすのが一般的であろう。ここでいう損害は、大きく財産的損害と精神的損害に分けることができる。
 「財産的損害」とは、治療費とか休業損害とか後遺症による逸失利益のようなものを指す。事故によって、被害者が経済的な損害を受けた場合である。これに対し、「精神的損害」とは、事故によって精神的苦痛を受けたことによる損害である。これを慰謝料という。
 そこで、交通事故裁判を起こそうとする者は、事故によってどのような損害を受けたのかを事細かく拾い出す必要がある。もちろん、事件処理を専門の弁護士に依頼した場合は、その弁護士の方から、いろいろとこの点に関する質問があるだろうから、本人としては順番に答えてゆけば足りることが多い。
 次に、損害額全体に大きな影響を及ぼす要素として、過失相殺(かしつそうさい)という論点がある。「過失相殺」とは、加害者の不注意によって交通事故が発生した場合であっても、同時に、被害者にも事故を招いた責任の一端がある場合に、被害者の過失に応じて損害賠償額を減額することをいう。
 例えば、商店街の道路を横切ろうとした歩行者が、横断中に運悪く走行中の車にはねられたような場合をあげることができる。この場合、道路を横断した被害者にも少し悪かった点が認められると、損害賠償金のうち、その分(悪かった分)が減額されてしまうのである。仮に、損害賠償金の合計額が1000万円で、横断者に20パーセントの過失が認められたとすると、1000万円×(1-0.2)=800万円の損害賠償金しか請求できなくなってしまう。
 ただ、交通事故の態様にはいろいろなものがある(ひとつとして同じ事故は、この世にないはずである。)。したがって、現に発生した具体的な事故について、一体何割を過失相殺することが公平にかなうかは、立場によって大きく異なることになる。
 そこで、何か目安となるものが必要になる。現在、一番参照されているのが、判例タイムズ社から刊行されている「別冊判例タイムズ第16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」という本である。われわれ弁護士や損保会社の担当者は、この本を参考にして過失相殺の割合を決めることが多い(以下、続く)。

日時:22:07|この記事のページ

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