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弁護士日記

弁護士日記

賠償金額が、二倍以上になった

2008年12月02日

 本年11月21日に、ある交通事故裁判の判決が名古屋地裁で出た。その交通事故とは、愛知県内のある街で、バイクに乗って道路を走行していた大山美智子さん(ただし、仮名)が、後ろから接近してきた自動車に追突されたという事故であった。大山さんは、バイクごと道路に転倒し、そのため、右肩等に怪我をした。その後、大山さんは、右肩の怪我を治療するために、愛知県内の病院で手術を受け、リハビリも続けたのであるが、右肩の状態が、元通りの状態に戻ることはなく、関節の可動域制限が残ってしまった。
 その後、大山さんは、損保会社の担当者と示談交渉をしたが、自分に過失がない交通事故であるにもかかわらず、担当者の対応は冷たいものであった。そこで、弁護士に相談した結果、裁判で加害者の責任を明らかにすることになった。
 交通事故裁判において、損保会社の弁護士は、病院の医師が測定した関節可動域の数値に疑問があるとして争ってきた。しかし、証拠として出された診断書の数値に、特に疑問とする点は見当たらなかった。すると、今度は、大山さんの尋問の際に、担当医師が測定した数値が正しいものだったかどうかという点について、しつこく質問してきた。
 原告代理人である私も、最初は、黙って損保会社の弁護士の尋問を聞いていたが、余りにも尋問の内容がひどいので、ついに、大きな声で、「異議あり。関節可動域を測定するのは、原告ではなく、医師です。したがって、可動域の数値に疑問があるのであれば、その医師を尋問すべきです。」と述べた。
 法廷で黙ってやりとりを聞いていた裁判官も、私の異議を正当なものと認め、損保会社の弁護士の不適切な尋問は終わった。そして、裁判官の口から、「では、結審して、次回に判決を言い渡します。」という決定が出た。その結果、損保会社が提示した賠償金額の、おおよそ2.4倍に当たる2249万円の賠償金支払を命じる判決が出た。
 本件に限らず、損保会社の弁護士の中には、社会的常識をやや欠いていると思われる人物が少なからず存在する。これらの弁護士は、もっぱら損保会社の経済的利益だけを実現するために行動する「産業用ロボット」のような存在であると、私の目には写る。
 ここで、私は、「損保会社の弁護士」という表現を使ったが、法律的には、交通事故の加害者自身が委任した弁護士である。しかし、交通事故裁判の場合、加害者自身は、自分で賠償金を支払うことはないため、裁判の動向にはほとんど関心がない。そのため、これらの弁護士は、損保会社の意向に忠実に行動しているという現実がある。
 私は、損保会社の弁護士が行う不適切な活動を監視し、適切に主張・反論することによって、被害者の正当な利益を守ることができるよう行動したいと考える。

日時:16:53|この記事のページ

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