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弁護士日記

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損保と闘う(16)

2015年12月22日

 私は、交通事故紛争に関しては常に被害者側に立っている。加害者側に立って仕事をしたのは、遠い昔のことである。遠い昔とは、私がまだ自分の事務所を立ち上げる前のことである。当時、より正確にいえば、平成2年から平成7年までの5年間は、私がお世話になったA総合法律事務所で、いわゆる「イソ弁」として働いていた。当時も今もA総合法律事務所は、損保会社の顧問格として健在であるが、私も、当然であるが、当時はイソ弁という立場で、A総合法律事務所の顧客である、当時のS損保やK損保の側に立って仕事をしていた。つまり、加害者側に立って職務を行っていた。
 したがって、損保会社の物の考え方がよく分かった。その考え方とは、一言でいえば、営利企業である以上、利益を出すことが至上命題であり、被害者と加害者との訴訟も、どのように決着させれば一番利益が出るかということに尽きる。正義がどこにあるかなどの点は、二の次なのである。その損保会社の姿勢には、私なりに疑問を感じ、独立後は、決して加害者側に立った訴訟活動は行うまいと決心したのであった。
 さて、私は、今般、ある依頼者X氏の委任を受けて、損害額を適正に算定するため、加害者が加入している共済協同組合に問合せをした。より正確にいえば、T共済協同組合の担当者自身が作成した損害賠償額算定表の、一項目について、「なぜそのような計算になるのか?」の点を問い合わせたのであった。ところが、その共済協同組合の担当者S氏は、「B弁護士に委任しているから、B弁護士に聞いてくれ」という返事だった。
 私は、これはおかしいと考え、B弁護士に聞いて欲しいという回答は、筋が通らないと反論した。間もなく、S氏からその上司に電話が代わったが、その上司も同様の答だった。
 おそらく、T共済協同組合の担当者S氏としては、被害者X氏に関する事件をB弁護士に依頼しているから、このように答えたものと推測される。
 しかし、問題は、加害者がB弁護士に正式に委任状を出しているか否かである。
 委任状が、加害者本人からB弁護士に提出されていれば、T共済協同組合の担当者の見解は正しいということになる。一方、委任状が提出されていなければ、その見解は間違いということになる。
 なぜなら、私は、被害者であるX氏から正式に委任を受けて、X氏を代理してT共済協同組合に対し正式に問合せをしているのであって、仮に、加害者がB弁護士に正式に委任していないのであれば、T共済協同組合は、回答の責任者としてB弁護士を指定することはおかしいというべきだからである。
 したがって、仮にT共済協同組合の担当者が、私の質問に答えたくない場合は、端的に「お答えしたくありません。」と回答すれば済むことである。「B弁護士に任せているから、B弁護士に聞いてくれ」という回答は、筋違いというほかないのである。
 X氏から私が受任したこの事件は、間もなく試合開始のゴングが鳴らされる。X氏の利益を最大限実現するため、「徹底した訴訟を行う」と胸に誓った次第である。

日時:17:53|この記事のページ

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