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弁護士日記

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損保と闘う(18)

2017年08月25日

 「損保と闘う」というテーマでの原稿は、昨年の3月以来である。
 ある日、交通事故が発生した場合、加害者と被害者では、対応に根本的な違いがある。加害者の大半は、任意保険つまり自動車保険に加入しているため、事故が起こった場合、まずは損保会社の方に連絡することになる。すると、損保会社が選任した担当者が付いて、いろいろとアドバイスをしてくれる。加害者としては、民事の損害賠償の問題に関する限りその担当者に一任すれば足りる。もちろん、加害者が起こした刑事責任や行政上の責任は、加害者自身が処理しなければならない。
 かたや、被害者の方は、何度も自動車事故を経験しているような稀な被害者を別とすれば、一生に一度の事であることが多いため、どのように対応してよいか分からなくなる。いきおい、加害者側の損保会社の担当者の説明を鵜呑みにして、その後の、治療などの対応に進む。
 治療が終わって、症状が固定すると、つまりこれ以上治療を行っても傷病の回復が見込めない状態に到達すると、損保会社の担当者の方から、「そろそろ症状固定としてもらっていいですか」との意向が示され、被害者としては、後遺症もなく治癒した場合を除き、主治医に対し、後遺障害診断書を書いてもらうことになる。
 次の段階は、後遺障害の等級認定の段階に入る。この段階は被害者にとってきわめて重要なポイントとなる。なぜなら、損保料率機構によって認定された後遺障害の等級は、仮に後日裁判になった場合であっても、何か特殊な事情のない限り、裁判所がそのまま障害の等級として認めることが多いためである。
 後遺障害等級の認定の方法としては、二つの方法がある。手間がかからないのは、加害者側の損保会社にお任せする方法である。主治医が作成した後遺障害診断書を損保会社の担当者に交付すれば、後は、全部損保会社がやってくれる。これを事前認定方式という。
 もう一つの方法は、被害者が自分で等級認定の手続を行うものである。これを被害者請求という。この場合、自分が信頼できる弁護士に手続を委任することができれば万全である。 この際、ネットなどで派手に宣伝している弁護士に依頼することは考えものである。果たしてその弁護士が、確実に依頼者の権利を守ってくれるか否か保証できないからである。したがって、仮に依頼するときは、その前に、その弁護士自身の経歴を確認しておく必要がある。弁護士は、登録していれば誰でも出来る仕事であるが、課題に対しどれほどの実力があるかによって、結果に差が出ることが多い。しかし、科学の実験のように、仮にA弁護士に依頼した場合の結果と、仮にB弁護士に依頼した場合の結果を比較するというようなことは現実的には不可能であり、結局は、弁護士の経歴などを参考に、信頼できる弁護士であることを確認した上で依頼を行うほかない。特に、交通事故関係の専門書を、責任をもって出しているような弁護士であれば、まず「外れ」はない。逆に、交通事故訴訟を余り手掛けたことがない弁護士への依頼は、いくら弁護士料金が安いといっても、避ける方が無難であろう。
 当事務所では、障害等級の認定手続についての依頼も受けているが、その場合の着手金は20万円となる。この場合、被害者の方が、自分が加入している自動車保険の中で、弁護士特約を結んでいるときは、通常、弁護士費用300万円までは、この特約を使うことができるため、実際の自己負担額は0円となる。
 ここで、以上のような方法をとった際に、損保会社との示談交渉はどうなるのか、という点が問題となる。仮に、事前認定方式をとった場合、加害者側の損保会社の方から、「あなたの障害等級は何級に認定されましたので、それを前提として損害賠償の金額を算定すると、次の金額となります。ご検討ください」と連絡が来る。
 反対に、被害者請求方式をとった場合、被害者(多くの場合は被害者から委任を受けた弁護士)の方から、加害者側の損保会社に対し、「被害者請求の結果、障害等級が認定されましたので、これを前提として損害額を算定すると、○○○○万円になります。お支払の手続をお願いします」という通知を出すことになる。
 上記の二つの場合について、双方の合意が成立すれば、示談がまとまり、紛争は解決することになる。仮に合意が成立しないときは、示談斡旋の申立をしたり、あるいは民事訴訟で解決することになる。この点については、次回の弁護士日記でお話する。
         

日時:14:25|この記事のページ

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