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弁護士日記

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最新交通事故判例紹介(その8)  人身傷害補償保険の給付と加害者に対する損害賠償請求権との関係について判断した事例

2018年02月09日

 交通事故によって被害者に人身損害が発生したが、被害者にもかなりの割合の過失があることがある。その場合、被害者の過失分については、賠償金を受け取ることができない。例えば、市街地にある国道を横断中の歩行者Aは、自分の対面信号の表示が赤信号であるにもかかわらず、これを無視して走って横断を試みたが、運悪くBの運転する車にはねられたとする。その場合、Aの過失割合を70パーセントとする。Aは7割悪いということである。仮に、Aの損害賠償金が1000万円とした場合、Aにも落度があるため、賠償金は7割減額され、300万円の補償しかもらえなくなる。
 このような事例を扱った判決がある。大阪地裁平成27年4月16日判決(交通民集48巻2号504頁)。この事故の場合、被害者の男性は、人身傷害補償保険会社から、474万円を受け取った。その後、加害者であるBを訴えたところ、大阪地裁は、全体の賠償金額を942万円と認定した。そして、原告であるAの過失割合は7割であると認定した上、原告の受け取った474万円は、942万円の7割に相当する659万円余りを超過しないとして、原告Aの受け取った474万円は、全て被害者の過失割合分に充当されると判決した。
 そして、原告Aの被告Bに対する過失相殺後の損害賠償請求権は、942万円×0.3=282万6000円であると認め、被告のBに対し、同額の支払を命じた。
 このように、人身傷害補償保険に加入して補償を受けることによって、自分の側にかなりの過失がある場合であっても、裁判所で認定された本来の賠償金額(942万円)に近い補償を受けることが可能となる。
 この事件の原告Aの場合は、474万円と282万円余りの合計756万円余りを受け取ることができた。仮に人身傷害補償保険に未加入の場合、Aは282万円余りの賠償金で我慢するほかなかった。

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