058-338-3474

お問い合わせ電話番号
受付時間:午前10時~午後5時

電話でのお問い合わせ

弁護士日記

弁護士日記

交通事故の本が出ます

2010年12月13日

 今年の10月の弁護士日記でも予告したが、交通事故の損害賠償に関する本が、いよいよ来年1月中旬に発売されることに決まった。本の名前は、「交通事故損害賠償の実務と判例」である。出版社は、大成出版社である。また、本の定価は、3,600円である(税込3,780円)。本の頁数は、まだ確定していないが、おおよそ280頁程度となる見込みである。
 想定される読者層としては、一応の法的知識を有する人々である。したがって、全く法的知識がない方が読んだ場合は、やや難しく感じられるかもしれない。しかし、難しい議論をなるべく分かりやすく解説するように心がけて執筆している。したがって、全く法的知識がない方であっても、たとえば、自分が交通事故の被害にあった方などのように、強い問題意識をもって持って読んでいただければ、十分に理解できると考える。
 なお、今回の本は、大学の法学部などで使用される民法の不法行為の教科書などよりは、はるかに詳細な解説が加えられている。したがって、本書を読んでもらえれば、交通事故の民事損害賠償に関する基礎的な知識のほとんどを修得することができるのではないか、と考えている。
この本の内容は、大きく二つのパートから成り立っている。第1編が交通事故の責任論であり、第2編が交通事故の損害論である。
 第1編の交通事故の責任論では、交通事故が発生した場合に、どのような要件が備われば法律上の責任を負うことになるのか、また、責任を負わされる者の範囲はどうやって決まるのかなどの点について解説がされている。具体的には、不法行為責任および運行供用者責任について解説してある。
 第2編の交通事故の損害論では、積極損害、休業損害、逸失利益、慰謝料および損害賠償額の減額という5つの論点について解説がされている。これらの論点は、弁護士が実務上使用することが多い「青い本」とか「赤い本」にも同じような解説が見られる。もちろん、青い本又は赤い本を参照して、損害賠償額の計算をすることもできる。ただし、これらの本は、あくまで専門家が使うために作成されたものであり、一般の人々がいきなり読んでも、十分に理解することは、なかなか容易ではないと思われる。そこで、今回出版される本書を参照してもらえれば、より容易に損害賠償問題を理解した上で、損害賠償額の正確な算定ができるのではないかと考える。
 なお、最近、法科大学院を経由して新司法試験に合格して弁護士になった者が徐々に増加しつつある。これらの若手弁護士の中には、交通事故損害賠償訴訟の分野を初めて担当する者も多くいる。そのような者が裁判所に出すために書いた書面の中には、内容的に「いかがなものか」と思われるものも少なくない。いくら新司法試験に合格していても、その程度の初歩的知識では、民事交通事故訴訟における当事者の代理人が十分に務まるはずはなく、自分で自主的に学習する必要がある。本書は、そのような若手弁護士の要請にも十分応えられるものとなっている。
 ただし、来年の1月に出版される本書の価値を決めるのは、あくまで読者である。私が、本年3月に新日本法規出版から出した「設例 農地法入門[改訂版]」は、幸いにも既に7,000部が出ている。本書は、果たしてどうであろうか。期待半分、心配半分といったところである。

日時:17:15|この記事のページ

ページの先頭へ

Copyright (c) 宮﨑直己法律事務所.All Rights Reserved.