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弁護士日記

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日高義樹著「日本の『非核』神話の崩壊」を読んで(下)

2019年08月24日

 再び、日高義樹著「日本の『非核』神話の崩壊」について紹介する。
 この本の中で、日高氏は、第3章「世界の核バランスを変える北朝鮮」という論点について解説している。北朝鮮の核ミサイルの危険性については、テレビなどでもしばしば取り上げられており、我々日本人も何となく分かっている雰囲気がある。
 しかし、北朝鮮の核ミサイルが、いかに危険なものであるかについて、正確な情報を知っている日本人はごく一部なのではなかろうか。
 何事にもいえることであるが、敵対する二つの主体があって、そのおのおの指導者が、敵である相手方に対し、とるべき適切な手段を考える場合、自分にとって都合のよい情報だけを重視し、それに基づいて発信するという傾向が一般的にある。
 しかし、それではダメである。自分の側と相手の側の双方の強みや弱みを総合的に判断して、打つべき手を熟慮する必要がある。この点については、おそらく誰も異論はないであろう。
 ところが、現実には、「日本憎し」という感情だけで、間違った決定を行っているおろかな大統領がいる。韓国の文(ムン)である。
 さて、北朝鮮の独裁者であるキム・ジョンウンは、近年、アメリカ本土を狙うことが可能な大陸間弾道弾の発射実験に成功した(88頁)。
 そのことから、核兵器は、従来のような一部の国家が独占するものではなくなった。核兵器を手にする者が多くなればなるほど、従来の核保有国は、相互に疑心暗鬼となり、むしろ自国の核兵器を増強しようという考え方を強めることになる。
 また、イランなどの地域大国が核兵器を保持しようという動きを示している(93頁)。その結果、核戦争の危機は以前よりも高まっていると考えられる。
 ところで、アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮に対し、核兵器を放棄するよう、いろいろの圧力をかけたが、これまでのところ全部失敗している。北朝鮮も、自国も世界の核保有国の一員であると考え始めている。
 日高氏の見解によれば、北朝鮮は、現時点で少なくとも50発の核弾頭を保有している(102頁)。また、アメリカとロシアは、5000発以上の核弾頭を保有しているし、中国も同様に5000発以上を保有していると見る。
 ここで、日高氏は、核保有国の中でも、北朝鮮の特異性を指摘する。他の核保有国と違い、核兵器を現実に使用する際の手続きが全く整備されていないと言う。
 すなわち、「北朝鮮は核保有国にふさわしい軍事体制や政治システムをまったく持っていない。北朝鮮という異常な国が核兵器という強力な、そして決定的な破壊力を持つ兵器を保有しているという状況こそ、世界的な危機と言える」(108頁)、「核爆弾の行使という重要な問題を決定するシステムがはっきりしていない」(110頁)、「すべては独裁者の一存にかかっていると思われる」のである(112頁)。
 最近、北朝鮮は、さかんに短距離ミサイルの実験を行っているが、射程は日本の本土をカバーする力があるという見方が大勢である。仮に、北朝鮮が、このミサイルに核弾頭を搭載して、例えば、東京に向けて発射し、東京に命中した場合、日本は大混乱に陥るであろう。
 このようなことを言うと、「まさかそのようなことは起こるはずがない」と高を括って笑い飛ばす立場もあるかもしれない。しかし、現実の社会を見れば、「まさか」という異常な事件ないし事実が起こっているのである。
 津波被害と同様、わが国の安全保障についても、用心深いことに越したことはない。わが国の平和と民主主義体制を維持するためには、国際社会において西欧民主主義を基本とする主要国と連携することが大切である。
 しかし、これ以上に重要はことは、独裁者による全体主義国家の色彩が濃厚である周辺国が「変な気」を起こさないよう、わが国としては万全すぎる防衛整備を行うことである。間違った憲法9条を正しく改正し、かつ、防衛予算は、現在の2倍程度まで増額することを考えてもよい。

日時:10:50|この記事のページ

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